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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.11.11,Sun

 
        ※掟破りの原作展開無視に「いきなりかよ!」と言う声が聞こえてきそうです。
          アッシュはちょっと癒されてますv・・・なんたって同行者いないし!(笑)     
 
 
 

 


ベルケンドに着き、スピノザに会った後、アッシュはローレライに回線を繋いだ。
(おい、ばっくれるぞ。もうこいつらと一緒に居たくねぇ・・・!)
(うんvアッシュと二人だけになれるなら、大賛成!)
 
 
あらかじめベルケンド港でこっそり雇っておいた船に話をつけ、アッシュとローレライは夜のうちに姿を消した。ワイヨン鏡窟に向かうためである。
 
 
アッシュは信用できない同行者達に情報を漏らすつもりなど、これっぽっちも無かった。
うっかりベルケンドと言ってしまったおかげでどんな目に遭ったかは、まだ記憶に新しい。
自分たちが姿を消せば、各自、国に戻って報告をするだろうと思っていたのだ。
 
 
(後で同行者達の行動を知ったアッシュが呆れ果てたのは言うまでもない。キムラスカ領のベルケンド港からナタリアとガイはバチカルに生存の報告に向かうべきだし、導師はアニスとティアを連れてダアトに船で行けばいい。ジェイドはベルケンドで人を雇ってでもマルクト領土に向かわなければならなかったのだ。・・・戦争を防ぐ為には。)
 
 
 
 
ワイヨン鏡窟でヴァンの目的を知ったアッシュは、溜息をついた。
「・・・ヴァンは世界中を崩落させるつもりだ。そして代わりにレプリカ大地を作ろうとでも言うんだろう。・・・ったく、死にたいなら一人で死にやがれ!くそ髭野郎が!」
 
うがー!!となったアッシュが壁を蹴り飛ばす。
尖った岩を蹴りつけ痛めた足を抱えて涙目になったアッシュに、ローレライはなでなでしながら回復をかけた。
 
 
ワイヨン鏡窟を出ようとしたときに、地震が起きた。
「アッシュ、アクゼリュスが落ちたから、セントビナーの辺り一体も落ちる可能性が有るよ?」
「ああ、わかってる。・・・どうするかな・・・」
「ねえ、この辺りにメジオラ高原のパッセージリングがあるでしょ?セルパーティクルの近くなら本体に近いから、力を戻す事が出来るよ・・・多分。そしたら何とかなるかも・・・」
「メジオラ高原か・・・行ってみるか。」
 
 
アッシュは船頭にメジオラ高原の近くに船をつけてもらうと、ローレライと二人でパッセージリングへと向かっていった。
魔物は強く手を焼いたが、何とかパッセージリングまでたどり着く。
此処にはまだヴァンの手はまわっていないようだった。
 
 
 
 
「ローレライ、ここで何をするんだ?」
アッシュの問いに、ローレライは少しの間答えを逡巡した。
 
「・・・あのね、ここで俺を解放してくれたら、力がもどるの。」
 
言いよどむその姿に、不安になったアッシュは問いを重ねる。
「そうしたら、お前はどうなるんだ?」
「・・・・・・この身体には、いられない。本体と同化するから・・・抜け殻になったこの身体は、アッシュの身体と融合して『聖なる焔の光』に戻ると思う。」
 
瞠目したアッシュは、強く首を振った。
「お前が居なくなるのは嫌だ!」
 
 
そっとアッシュに寄り添ったローレライは、アッシュの顔を両手でやさしく挟んだ。
「いなくならない。いつも一緒だよ。この身体にはいられないけど、力を取り戻したら音素を収束させて一時的に身体を作る事が出来る。・・・それじゃダメかな?ルークは完全な『聖なる焔の光』に戻って、今よりもっと強い力を持てる。」
ローレライを抱きしめ、その肩に顔を伏せたアッシュは、くぐもった声で訊ねた。
「・・・また、こうしてお前に触れる事が出来るのか・・・?」
「うん。」
やっと安堵したアッシュは、そっと身体を離した。二人で微笑み合う。
 
「なら、良い。解放してやる。」
「ありがとう、『ルーク』」
 
 
 
パッセージリングにゆっくりと両手を翳したローレライは、目を閉じた。
その身体が発光し、手を広げ背を反らしたローレライの胸から、剣が出現してくる。
呆然と見蕩れていたアッシュは掛けられた声に我に返り、近づいていった。
「ルーク、この『ローレライの鍵』を取って。それで私を解放して・・・」
剣をゆっくりとローレライから抜き出すと、アッシュはそれを床に突き立てた。
剣をかちりと回すと、譜陣が浮き出てくる。譜陣は広がり、二人を飲み込んでいった。
 
 
 
 
 
真っ白い空間に、誰かが捕らえられている。
言霊の鎖が華奢な身体を幾重にも取り巻き、がんじがらめに繋ぎとめていた。
アッシュが剣を振ると、鎖は千切れ、粉々になって消え去っていった。
捕らえられていた者が、ゆっくりと顔を上げる。
朱金の髪の、自分の半身だった。
 
 
その顔が、花が開くようにほころんだ。
(ありがとう・・・ルーク、私の半身。)
朱金の光は二人を取り巻くと、上空へと舞い上がっていった。
 
 
 
アッシュがふと気付くと、そこはもとのパッセージリングの前だった。
目の前に自分の半身がいる。声を掛けようとして、その身体が透けているのに気付いた。
そして自分の身体が淡く発光しているのも。
 
(ルーク・・・ これからルークはこの身体と融合して完全な『聖なる焔の光』に戻る。
受け入れて・・・私はいつでも一緒にいるから)
 
頭にローレライの声が響く。・・・アッシュは目を閉じた。
 
 
 
 
目を覚ました時、アッシュは一人だった。言い知れぬ不安に、辺りを見回す。
そのとき、朱金の光が辺りに広がり、それはアッシュの目前で収束していった。
次の瞬間には自分の半身がそこにいた。
恐る恐る手を伸ばしたアッシュは、半身に触れられるのを知って、安堵した。
強く強く抱きしめる。
笑いながらローレライが抱き返してきた。
「ルーク、完全なる『聖なる焔の光』、私の半身」
 
 
しばらく半身の体温を感じていたアッシュは、身体を離すと尋ねた。
「ローレライ、俺はどうなったんだ?別に何も変わっちゃいないと思うんだが・・・」
「ほんとは記憶も融合するはずだったけど、私が記憶を持っていたから、融合したのは身体と能力だけなんだよ。今は第二超振動が使えるはず。あと、ちょっとだけ髪の色が変わったと思う。」
「ふうん、そうか?」
確かに髪の色は深紅より少し明るめに変わっていた。毛先の色が僅かに金がかっている。
以前のルークとアッシュを足したような色だった。
「そんな事は、全然かまわねぇよ。・・・お前が居てくれるなら。」
「私も解放されたから、この姿をとっていない時でも音素となってずっと一緒にいられるよ。」
そう言うとローレライはふわりと姿を解いた。
 
ローレライの音素に、精神に寄り添うように取り巻かれるのが分かり、その心地良さに笑みがこぼれた。
 
 
 
(ルーク・・・セントビナーをどうしたい?)
ローレライは、この世界の構造とパッセージリングの事を記憶として伝えてきた。
アッシュはしばらく考え込む。耐用年数が切れ掛かっているのなら、根本的にどうにかしないと次々に世界は崩落していくだろう。
幸いな事にローレライが解放された事で、流動化していたクリフォトの大地は硬化しつつある。
 
(・・・崩落を食い止める事はできねぇだろう?だったら崩落する前に降ろしちまおう。)
(そうだね。じゃあ、ここから書き換えをしてしまおう。)
(そんな事が出来るのか?)
(私はローレライ、ルークはその半身だよ?出来ないはずが無いじゃないか)
(なあ・・・いっそ大地全てを降ろしてしまう事は出来ないか?)
(そういう風に書き換えをすれば、出来るんじゃないかな。)
 
 
「んじゃ、やっちまうか。どうせみんなちょっと大きな地震が来たとしか思わねぇだろうよ。」
そう呟くと、アッシュは超振動をパッセージリングへと向けた。
ローレライが力を合わせ、今までとは格段に巨大な力が自在にコントロールできる。
光の糸を伸ばすように、各地のパッセージリングが次々と書き換えられていった。
こうなるともうヴァンには手が出せない。
ユリア式封咒は、ローレライの封咒へと変更された。
 
 
大地は、低い地鳴りのような振動と共にゆっくりと降下していった。
世界の構造を知らない者たちが、その事実に気付く事は無かった。
ただヴァン達だけが唖然としていたが、先にやっちまったモン勝ちだ。精々悔しがれ。
 
 
 
アッシュはイイ笑顔でローレライに話しかけた。
「さあ、後は戦争を止めれば預言は覆せるんじゃねぇか?『ルーク』もナタリアも生きてたんだし、開戦の理由は無いだろう?」
(ユリアの子孫が、何かしようとしてるんじゃない?)
「じゃあ、ヴァンの野郎をぶちのめしておくか!」
 
 
 
人型を取ったローレライと協力してメジオラ高原を抜けると、アッシュは一番近いシェリダン港へ向かって歩いていった。
 
 
 

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