アッシュという人

今さらだけど、アッシュという人間を考えてみる。

実は私は、ゲームをしてて初めからアッシュが好きだったわけではありません。
いや、気にはなっていましたよ？　ネタばれ状態から興味持ってゲームを始めたので。
どんなカッコいい人だろうと思ってたのに、アッシュが出たときあまりの口の悪さに「･･･どんなチンピラだよ」とか思いましたよ。

でもね、ゲームを進めて行くうちに疑問に思ったのです。
幼い頃の、国や民を想ってナタリアと誓いを交わしたアッシュとどうも結び付かないんです。
すぐキレて八つ当たりの様な暴言を繰り返す姿が。　
民の幸せを願った真っ直ぐで不器用に優しい子供がなぜ？　と。

なんか、アッシュの態度に病的な歪みを感じました。
自分でもままならない感情の暴走に振り回されている感じです。

ゲームを終えたとき、アッシュの本質はやっぱり不器用で優しい、そんでわりと世話焼きだったんじゃないかと思いました。
人を信じることを諦めてしまった哀しい子供。　それを強く感じました。

あまりに哀しくて私はアッシュを断罪する話は書けない。彼の行動が正しいと思っているわけではなく。
雨の日に震えながらふーふー威嚇する捨てられた子猫を蹴り飛ばす行為に感じるのですよ。

･･･まぁ、それは置いておいて。

アビスで創作するようになってから、精神分析の本とかに興味を持ったのですが、こないだ（と言ってもわりと前ですが）読んだ本に興味深い一節を見つけました。『トラウマの発見』という本の一部分の要約です。

 

複雑性ＰＴＳＤ

前提：　生活全般において力の支配下にあったこと

症状：

・「感情コントロール」の失調
不機嫌や自殺念慮、自傷行為、爆発的な怒り

・「意識」変化
健忘や解離

・「自己感覚」の変化
孤立無援感（絶望感）、主体性の麻痺、汚辱感、自己非難、スティグマ 感（周囲の差別的な嫌悪感にさらされている感じ）、他者とは完全に違った人間であるという 感覚　（無力感と自己否定）

・「加害者への感覚」
加害者との関係への没頭（加害者は被害者にとって強大な力を持つ絶対 的な存在になってしまう。自分がどんな思いをしたか分かってほしいと いう思いにとらわれ、離れることが出来ない。時に理想化や逆説的感謝 を含む）

・「人間関係」の変化
孤立感が人間関係を妨害し、人間関係の問題がさらに孤立感を深めると いう悪循環に陥ってしまう。孤立、引きこもり、人間不信を生む。

・「意味体系」の変化
従来の信念や希望が失われる。価値観、人生観、人間観などがトラウマ 体験によって否定的な方向に変化してしまう。悲観的な人生観や個人へ の不信だけでなく、人間というもの全体への不信感を生む。

 

･･･なんかアッシュにすっごく当てはまってません？
幼少時には父や国に実験という苦痛を強要され、拒否も許されず。父親には見向きもされず。誘拐されてからはヴァンに逆らえなかったでしょう。　前提条件は十分です。

アッシュは良く「バチカルに帰って来なかった」事を断罪されるけど、何年も精神的に（肉体的にも）支配されていたアッシュが逃げるのはきっと無理じゃないかなと思う。
DV（ドメスティックバイオレンス）被害者が何年も暴力を受け続けるようなものでは？　さっさと逃げ出せばいいじゃんと思いますが、逃げ出すという考えが浮かばなくなるのがDVの症状なのです。
誘拐された被害者の心理としては「ストックホルム症候群」という症状もありますしね。（長くなるので割愛）
あと、バチカル（ファブレ邸？）という場所自体がトラウマになっていた可能性もある。回避・麻痺という症状。

アッシュのゲーム中のわけのわからない行動は、上記の症状から必死で抜け出そうとする混乱と足掻きのように思えます。
やっと抜け出した時に、アッシュは死んでしまいましたけど。　

成長して一皮むけたアッシュは、きっといい男になると思うんだ。　そう信じてお話を書く！

偉そうなこと言ってすみませんです。　所詮アッシュ好きの戯言なので、客観性に欠けると思います。
ぐだぐだ書きましたが、専門に勉強したわけではないのであまり真面目に捉えないでくださいね！
専門家の意見を聞いてみたいなぁと切実に思います。

あ、今思ったんだけど、『アッシュは最後にやっとルークを認めることが出来た』んじゃなくて、『最後にやっと人を信じることが出来た』なんじゃないかな？　もっと前にルークを認めてた気がする。ただそれを信じなかっただけで。

機会があったらアッシュとルーク、とか他の人たちについても考えてみようと思います。

 

 

･･････そんでも今書いてるのは↑の文章をまるっと無視したギャグなのであった（笑）
あまりに短い一発ネタ系ギャグなので、拍手に入れるか短編で出すか悩み中。　う～ん･･･