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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2009.08.03,Mon

ネタ  不完全逆行? アッシュに一目惚れの唯我独尊ドMルーク。

「アッシュが好き」と、「自分は責められるべき人間だ」と言う気持ちだけが逆行して大使の性格と混ざり、とんでもない方向にねじ曲がった。

・・・ルークごめん、変態にして。アッシュもっとごめん、苦労かけて。 というお話。
厳しめ無し。(ある意味とっても可哀想な人なら居ますが) ギャグ? ハッピーエンド(笑)

 

 

 

『ソーサラーリングでラブルーク☆アタック!』

 

「我の見た未来がわずかでも覆されたことに驚嘆する・・・望みはあるか、ルークよ」
「うわぁぁぁぁん、アッシュー!」
「お前が望むなら、時を戻してやろう」
「うおぉぉぉぉん! 何で死んじゃったんだよ~! 俺のせいだ、俺がアッシュを置いて行ったりしたから」
「もう一度やり直すか」
「俺が何もかも悪いんだ! アッシュ~、もう一度俺を見てくれよ、屑って言ってくれよ!」
「・・・・・・だから、やり直すかと聞いてる!」
「アッシュー!」
「話を聞けぇ! ・・・・・・・・・(怒) えいっ!」
「あっしゅうぅぅぅぅ!     ・・・・・・・・・あれ?」



この世界のだれも、いやルーク自身さえ気づいていないが、実はルークは逆行していた。
ローレライを解放して乖離しかかりアッシュの死体を受け止めたぐちゃぐちゃの精神状態の中で、ルークはすでにローレライの言う事を理解する余裕はなかったのだ。
イラッとしたローレライが無理やりルークを過去に送った時(音譜帯から追い出したともいう)、ルークの心の中にはたった二つしか残ってはいなかった。

それはすなわち「アッシュLOVE」と「俺を屑と罵ってくれ!」であった。

 

誘拐されてコーラル城で見つかった『ルーク』は、それまでの事を何もかも忘れ順調に変な子に育っていった。
赤ん坊からやり直したとすれば驚異的な優秀さだが、いかんせん言動が特異過ぎた。
一通り話せるようになり、家庭教師が付いた頃にソレは花開いた。

「昔の貴方はとても賢く立派だったのに、こんな事も分からないんですか」
「・・・・・・違う。俺の求めてるのはこんな言葉じゃヌェー! お前はクビだ、出てけ!」

昔の聡明さの消失を嘆く家庭教師を何人も叩き出したルークは、とうとうある日クリムゾンに呼ばれた。
口裏を合わせたように言葉を濁し『ルーク様のお相手は私めには無理でございます』と出ていく教師達に、クリムゾンはほとほと困り果てていたのだ。
「ルーク、一体お前は何を求めているのだ」

じっとクリムゾン(の主に額の辺り)を見つめていたルークは、かすかに顔を赤らめるとツツッ・・・とにじり寄ってきた。クリムゾンの座る書斎のデスクによじ登り、身を乗り出す。

「父上・・・ちょっと前髪を鶏冠みたいに立てて、俺の胸倉をつかんで『この劣化野郎が!』とか罵ってくれませんかv 俺は、俺の事を屑と罵ってくれるご主人様を求めてるんだ!」

父親のおでこをうっとりと撫でながらハァハァと詰め寄ってくる息子がもはや己の手の届かない世界に行ってしまったと悟ったクリムゾンは、息子を愛する事から眼を逸らした。・・・変態から逃げたとも言うが。


屋敷の誰もが微妙に目を逸らす存在のルークを育てたのはガイだった。
ガイは復讐を果たす為にファブレ家に取り入ろうと一生懸命にルークを育てた。ルークも懐き、目的は果たされたように見えた。しかしその目論見は、ルークが一人前に言葉を話せるようになったとき脆くも崩れ去る。
「また我が儘言ってるのか、ルーク。しょうがない奴だな」

「ガイ! 甘やかすだけなんて俺は親友と認めねぇ。親友ってのはもっとこう、親の仇でも見るような冷たい目で見るもんだろ!」

「え・・・そ、そうなのか?」
身に覚えがありすぎたガイは、笑って誤魔化しながらルークのツボをついた言動に神経をすり減らしていった。


(俺がこんなに苦労するのも貴様のせいだ! ファブレ公爵!)
通りすがりのクリムゾンを見るガイの目は憎悪をたぎらせていた。

「ああ~! ガイ! 何で父上をそんな熱い眼で見てるんだよ! 俺を見ろ!(憎しみの視線的な意味で)」

(まずい、ルークに見られた! ・・・しかしルークはこれが普通と思ってるのか? 何と言って誤魔化せば・・・)
つい縋るような眼でクリムゾンを見たガイの眼に映ったものは、腰が引けたようにじわじわ後ずさって行くクリムゾンの姿であった。
「・・・・・・ガイ。あ~・・・私はお前の気持ちに答えるわけには・・・・・・」
誤解だぁぁぁ! と、ガイは声を大にして叫びたかった。しかしここでルークの言葉の真の意味をクリムゾンが知れば不審を抱かせる。・・・二人とも誤魔化すには・・・どうしたら・・・・・・。

「だ・・・んな、さま。・・・この気持ちは、心の奥だけに秘めておきますので・・・・・・」

「ぜひそうしてくれ!」
逃げるように去って行ったクリムゾンは(別な意味で)ガイを警戒して傍に近寄らせなくなった。
ガイはいつバレるのかと冷汗を垂らしながら屋敷中の微妙な視線に晒され、更に毎日のようなルークのダメ出しに疲れ果てて身体を壊した。胃弱で虚ろな目の使用人兼親友の出来上がりだった。

・・・ちなみにクリムゾンの認識では『変態(ドM)の使用人は変態(ホモ)だった』である。


クリムゾンは考える。どっしりと頼りがいのある師匠を付ければ息子の(人に言えない)性癖は改善するのではないかと。
キラキラした眼で罵られることを期待する息子の相手は無理。自分にはとっても無理。
・・・すまん息子よ、情けない父を許してくれ(心の声)

そうして白羽の矢が立ったのが主席総長になったばかりのちょび髭ヴァン・グランツであった。

「今日から剣を教えることになったヴァン・グランツだ。よろしく、ルーク」
優しげに微笑むヴァンを胡乱な眼で見上げたルークは、プイッと顔を逸らして吐き捨てた。

「・・・・・・ちっがーう! 俺は鬼畜のドSで誘拐した男の子を監禁とか調教するようなヤツでなきゃ師匠とは認めねぇ!」

ギクッ。それって自分の事じゃん? と思ったが、背後で期待を込めた眼で見つめるクリムゾンのせいで言い出せなかったヴァンは、その後も優しく頼りになる師匠を演じ続けた。
公爵や白光騎士団がいつもこっそりと稽古の様子を窺っているファブレ家で、「お前は出来損ないだ」などとは言いだす事は出来なかった。・・・たとえどんなに内心そう思っていたとしても。
その結果、ヴァンはとうとうルークの信頼を勝ち取る事は出来なかったのだった。



とても全てを語る事は出来ないが、そんなこんなで運命の時は巡ってくる・・・

いきなり屋敷に押し入ってきた髪の長い女とわけのわからない所に飛ばされたルークは、『新たなる旅立ち~いつかどこかにご主人様が☆~』な展開にハイテンションだった。
説明しているようで何も教えていない女の言葉はするりとルークの脳を過ぎて行く。

「魔物に接触すると戦わざるを得なくなるわ。気を付けて」
「おおっ、あれが魔物かぁ! くらえぇ!」
ティアと名乗った女はキリキリと眉を吊り上げ、ルークを怒鳴りつける。
「調子に乗らないで!」
「むっ、お前良い線いってるな。だが、まだまだだ。俺の望んでいるのは冷たい蔑みじゃなくて、熱い炎のような罵倒だ。胸倉をつかんだり剣で切りかかったりするとさらに良い。精進が足りないぞ!」
「・・・・・・何を言ってるの貴方?」

何か良い事がありそうな予感v と浮かれるルークは絶好調にマイペースだった。
エンゲーブでリンゴを無銭飲食して捕まると、
「ああっ、今まで友好的だった人々のこの掌の返しっぷり。証拠無しの集団リンチ・・・・・・イイ・・・もっと罵ってくれv」
とか言って人々をドン引きさせていたり。



「ライガクイーン・・・お前のその気高さ、下郎の話なんか聞く耳持たない女王様ぶり。ああvなんてデジャヴ ・・・俺はときめいた。さあ! ビシッとやってくれ! 俺をもっとムラムラさせてくれ!」

「・・・・・・・・・」
うっとりと両手を広げて近づいてくるルークに、クイーンは毛を逆立てて後ずさった。
ライガクイーンは君子危うきに近寄らない野生動物なのだ。
ある種の人間と言うものは恐ろしいものだと思い知ったクイーンは、あっという間に卵を咥えて去って行った。

ちょっとがっくりしているルークに自前パン○ースの動物が話しかけてくる。
「みゅうぅ~ これからよろしくお願いしますの! ご主人様」
「あぁ? おまえブタザルのくせに生意気だぞ! 真の下僕の座は俺のものだ! 俺に付いてくんならその下僕の証の輪っかを寄こせ!」
「みゅ?」
「俺はなぁ、ご主人様になりたいんじゃないんだ。ご主人様を求めてるんだ! ・・・屑が!とか罵ってほしいんだよ! なんかこう、ハートが求めてるんだよ! ブタザル、おまえには負けねぇからな!」
「みゅうううう!」(それは下僕の証じゃないですの~!)
「・・・これで色んなこと出来るようになるんだろ? ご主人様の為に力を使うならやっぱ下僕の証じゃねーか。よし! 俺はこれを使いこなして真の下僕になってやる!」
ミュウの見事な下僕ぶりに嫉妬したルークは、ソーサラーリングを引き抜きミュウをティアに放り投げた。

「か、かわいいv」
「ティア、お前もか! 見損なったぞ! 可愛い物好きの甘ちゃんに用はない!」
「はいは~い、そこまでですよ。そこの二人を捕えなさい」
微妙に活躍の場を奪われていた陰険眼鏡ことジェイド・カーティスが木立の陰から現れ、連れていた兵士に命じると、ルーク達は拘束されタルタロスへと連行されることになった。
「おお・・・これが憧れの手錠・・・v おいお前、そこのロープでもっときつく縛ってくれ! もっと芸術的に縛れ! 亀甲縛りを希望する!」
・・・・・・ルークはどこまでもマイペースだった。


そしてここはタルタロスの一室である。ルークは和平の取り次ぎを持ちかけられていた。
ドキワクしながらジェイドの行動を見ていたルークは、跪いたジェイドにつまらなそうにため息をついた。

「ジェイド、悪いな。行動の伴わない嘲りは俺の心を萌えさせないんだ。よって慇懃無礼は守備範囲外」
「・・・・・・いえ、萌えて欲しいなどとは誰も思ってはいませんが。・・・・・・って、聞いてませんね」

偉そうに胸を張ったルークはビシッと指を付き付ける。
「そこのツインテのチビ。俺は他人に媚びて利用しようとする奴は嫌いだ。やるんなら堂々と既成事実を作れ!」
「しかしもっと嫌いなのは言いたいことも言わずに抱え込む卑屈な人間だ。俺の中の何かが告げている。卑屈な人間はなにもかもすべてをなくす運命だと! したい事があるなら堂々と口に出し、目標に向かって突っ走れ!」

イオンはちょっと感動していた。堂々と胸を張るルークは輝いていた。
・・・たとえルークの目標が『ご主人様に屑と罵られる事』だと分かっていても。


 

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