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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2026.04.03,Fri
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Posted by tafuto - 2007.10.09,Tue

 

ザオ遺跡でイオンを取り戻した一行は、ケセドニアにたどり着いた。
体調を崩したイオンを気遣い休息を多くする為、随分と行程が遅れている。
前回の旅のように些細な事を質問しては楽しんでいたルークは、ティアやジェイドの嘲る様な言葉に不機嫌になり、だんだんと笑顔も少なくなっていった。
野営の寝るまでの僅かな時間、シリウスの傍らに寝転がり、その土地の面白い話や歴史を聞いたり、譜術や剣の勉強をするのだけがルークの楽しみだった。
「そんな事も知らないの」と水を差される事もしばしばだったが。
 

ケセドニアでイオンがアクゼリュスへの同行を強請った。
「ダメだ。そんな身体で強行軍なんて、出来るわけ無いだろ。俺が居れば良いんだからおとなしくダアトに帰れよ。お前の役目は終わったろ」
「あんた馬鹿ぁ? イオン様が行かなくてどうすんのよ!」
「随分傲慢ね、貴族のお坊ちゃんはこれだから常識知らずなのよ」
「ルーク、わがまま言ってないで、連れてってやったらどうだ?」
「まあ決めるのは、親善大使であるルーク様ですからね」
 
口々に責められ、自分の考えの何が悪いのかもわからず、ルークは混乱して怒鳴りそうになった。
その肩にそっと手が置かれる。
「イオン様。ルーク様はあなたの体調を考え、親善大使として同行は許可できないと仰せです。どうしても同行したいのであれば、導師守護役と体調を相談し、導師権限でアクゼリュスの視察という事にすればいかがですか。正式な報告書は作成させて頂きますが」
「ええ、それでかまいません。アニス、良いですよね」
「もちろんですよー、イオン様」
 

消沈したルークをさりげなく一行から離し、歩き出す。
「いいのか・・・?」
「ルーク様・・・今の彼らに何を言っても、聞いてくれはしないでしょう。せめて責任があなたに掛からないように致します」
「でも、もう随分遅れてるし、イオンが倒れるんじゃないか?」
「それは導師守護役に頑張ってもらいましょう。彼女の職務なのだから」
 
 

カイツールに着くと、ジェイドがシリウスを呼び止めた。
「アルマンダイン将軍を知っていますか?」
「何度かお目にかかったことはありますが」
「それはちょうど良い、一緒に来てくれませんか。知った顔が居た方が、話が早いでしょうから」
「今の私は白光騎士団ではありませんよ?それに・・・」
「ルークなら俺が見てるよ。それでいいだろ」
ルークと談笑していたガイが笑って手を振る。
子ども扱いすんなよ!と膨れたルークが笑って手を振るのに振り返し、
「じゃあ、ちょっと行ってきます。ガイ、しばらく任せるから、ルーク様から離れないで下さいね」
 
軍港責任者と話をし、帰ってくる途中で、魔物の気配を感じた。
胸騒ぎに駆け出すと向こうからガイが走り寄ってくる。
「シリウス! ちょっと目を放した隙にルークが魔物に浚われた。六神将のアリエッタが、コーラル城に来いと・・・!」

「馬鹿野郎! 離れるなと言っただろう! 何の為の護衛だ!」

いつも穏やかなシリウスの激高に、周りは立ちすくむ。
踵を返したシリウスは軍港の兵に言って騎獣を借りると飛び乗った。
「私は後を追います。あなたたちは此処に居て下さい。足手まといですから」
「ま、待てよ六神将相手に一人じゃ・・・」
返事など聞く気も無くシリウスは走り去った。
 


硬い台の上で、ルークは目を覚ました。頭痛を堪え、身体を起こすと何か興奮し騒いでいる人影が見えた。
「シンク、見て下さいこのデータ! 素晴しい」
「うるさいよ死神」
「キー! 薔薇のディストだと何度言ったら!」
「ちょっと黙りなよ。 お目覚めかい? 聖なる焔の光。ちょっと検査するついでに、フォンスロットを開かせてもらったよ」
「何で、そんな事・・・」
「知らないよ。燃え滓に聞きな。あいつがあんまり煩かったからやってやったんだから。
・・・そろそろお迎えが来たかな。僕達は消えるとするよ」
 

シリウスは騎獣ごと広間に入ると、魔物を一掃し騎獣を繋いだ。目を閉じ気配を探る。
「・・・下か」
開かない扉は譜術で吹き飛ばし、魔物は足も止めずに切り払って最短距離を進んでいく。
奇妙な装置のある部屋に目指す人影を見つけた。

「ルーク様! ご無事で」
「シリウス、大丈夫だ。なんか危害を加えるって感じじゃなかった。フォンスロットを開いたって言ってた。なんでかは燃え滓に聞けって。シンクとディストは、さっき居なくなっちゃったよ。 ・・・ああー頭痛てぇ。ガンガンする」
シリウスはルークをそっと抱き上げると、壁際に座りルークを膝枕した。
「寝心地は悪いでしょうが、少し休んでください。此処は安全ですから」
「うん・・・そうする」


シリウスはルークの頭を優しく撫で続ける。
小さな声で歌を歌うと、表情を和らげたルークがやがて寝息を立て出した。
静かな子守唄は長い間その場に流れていた。
 
 

 


閑話 その頃のアッシュ

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Posted by tafuto - 2007.10.09,Tue


この話は、『赤毛たちに親的存在がいたらどうなっていたか?』 がコンセプトです。
ゲーム中にはそのような存在は見当たらなかった(あくまで個人的見解ですが)為、オリキャラが出張っております。

オリキャラの認められない方は、自己回避をお願いいたします。

また、ティア・ジェイド・ガイ・アニス・ナタリアに対しては、あまり優しくありません。
とても非常識人として設定してあります。
が、残虐行為には走っておりません。最終的には和解します。

カップリング要素は薄く、どちらかというと兄弟的に赤毛たちの仲が良いです。
オリキャラは二人の兄の様な存在です。

キムラスカは捏造気味。
特にクリムゾンは優遇されています。

六神将は、アリエッタ、シンクに関しては優遇されています。


オリキャラ設定

シリウス・ブレイズ (愛称シリー)
毛先が銀に色の抜けた紺の髪  譜眼
本編開始時 27歳
双剣使い 譜術師
白光騎士団副団長
ユリアの血を引いていて、譜歌が謡える。
両親が傭兵で、この人も元傭兵。


※時々文章の最後に補足や短い閑話が挿入されている事があります。
あまりに短すぎるものや補足は、一本として数えるのがおこがましくてそうしました。
興味のある方は読んでやってください。


 

Posted by tafuto - 2007.10.09,Tue


閑話   砂漠の少女のはなし       (3話と4話の間辺りになります)

 


 
「あっちー! マント取っちゃダメか?」
「髪を晒してはダメです。日差しが強いので、むしろ着ていた方が涼しいですよ?」
ばてるルークに濡れタオルを渡しながらシリウスが笑う。

「あ~ずるい! ルークばっかり! アニスちゃんにもお水ちょうだい!」
「砂漠で水を無駄にするわけにはいかないんですけどねぇ」
「わたくしにもお水をいただけるかしら」
「ちょっとあなた、女の子にももっと気を払ったらどうなの! ナタリアにマントを貸したらどうかしら」

不満げな同行者ににっこり笑う。
「私はルーク様の護衛ですから、他の方のお世話は職務に含まれておりません。砂漠越えは初めからわかっていたでしょう? 何故準備しなかったのか理解できませんね。それにルーク様の髪を人目に晒す愚行は犯せません。水はこうして・・・」
小さく呟く詠唱とともに手の中の鍋に氷が降り注いだ。
「作っていますから、水筒の水を無駄にしている訳では有りませんよ。さあ、休憩にしませんか」
 

ローストチキンをベーグルに挟み、一口齧ってルークに渡す。スープも同じようにして渡すとむっとしていたアニスが声をかけた。
「主人より先に食べちゃっていいのぉ~?」
シリウスは何を言われているか解らず、振り向いた。
「は? ・・・もしかして導師守護役は導師の毒見をした事が無いんですか?」
「ええ?そんなの・・・だって」

目を白黒させるアニスは放って、周りに声をかける。
「皆さんもどうぞ。今回は私が準備しましたが、これからどうしますか? ルーク様の分は私が作りますが、さすがに全員分の食料を携帯してはいませんから」
「ルークの分を作るんなら、ついでに作ってくれないか? すごく美味しいし」
ガイの言葉に頷き、続ける。
「じゃあ、料理中の警戒は頼みます。食料は分担して持って、その都度渡してください」

ベーグルサンドをぱくついていたルークが機嫌よく話しかける。
「シリウスって料理も上手いんだな! すっげえ美味しい」
「この間は急すぎて準備できず、腕を揮えませんでしたね。料理は昔から得意なんですよ。昔、傭兵部隊に居た頃、部隊中の食事を作っていましたから」
「へぇ、傭兵だったんだ」
「ええ。ファブレ公にも作った事ありますよ」
「ええ?シリウスって何歳なの?」
「27です」
「父上が最後に戦争に行ったのは、15年も前だって聞いたけど? ・・・確か」
「ホド戦争だ」

僅かに硬い表情でガイが口を挟む。
「あんたはホド戦に参加したって言うのかい?そのころはまだ子供じゃないか」
「私は両親が傭兵だったので、走れるようになった頃から戦場に居ましたから。戦闘以外にもけっこう子供がやれる事は多いんですよ」
「ホドはどうだった?」

皮肉げなガイの言葉に、遠くを見たシリウスは微笑を浮かべながら歌うように続けた。
「とても綺麗なところでした。ホドが落とされると知った母は、私を本陣まで走らせました。そして、私と同い年の子供を助ける為に行きました。それきり戻ってはきませんでした」
シンとなってしまった周囲に振り帰り、ルークの頭を撫でて苦笑する。
「ああ、そんな顔しないで。母は自分の選択を後悔しないでしょう。私もね。こんど公爵様の話をお聞かせしましょうね」
 

場を和ませようとしたのか、ナタリアが手を打って声を上げた。
「そうですわ、シリウスばかりに料理を任せては悪いですし、次はわたくしもお手伝い致しますわ!」
廃工場で、ナタリア持参の手作りサンドイッチに悶絶した一行は(もちろんルークには食べさせていない)顔を引きつらせた。

「・・・ナタリア様、一つお話を致しましょう」
「なんですの? シリウス」
「ある砂漠の村に、女の子が居ました。女の子は町に隊商が来たせいで父親が遊んでくれなかったと、腹いせにおなかを壊す木の実を隊商の水樽に混ぜてしまいました。隊商はそんな事も知らず、砂漠を進んでいきました。途中、一人倒れ、二人倒れ、気付いたときには砂漠の真ん中でみんな倒れてしまいました。お腹を壊して脱水症状をおこした人達は、すぐに水を飲みきってしまったのです。隊商は皆干からびて朦朧と死を待つばかりになりました」
「そ・・・それでどうなりましたの」
「ちょうど通りかかった傭兵が、水と薬をあげて助かりましたよ」
「良かったですわ!」
「ナタリア様。この話の教訓は、『砂漠で腹を壊すと死ぬ』です」
 
 
ガイが笑いながら近寄ってきた。小声で話しかける。
「なあ、さっきの隊商の話、作り話だろう?」
「・・・・・・本当ですよ。通りかかったのは私ですから。とても聞かせられなかったけど、あの話には実は続きがあるんです」
「なんだい、教えろよ」

「私が通りかかったとき、隊商の半分の人がすでに死んでいました。木の実を入れた女の子の家族は村を追放されました。女の子の父親は、水に毒を入れたものは殺すという村のおきてに従い、泣きながら女の子を砂漠で殺しました。おしまい」

青ざめたガイを残してシリウスは歩き出した。
 


 

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