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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.09,Tue


帰還ED  燃え尽きて灰アシュ 狂ルク


かなり悲惨な話となっております。
誰一人、生き残りません。 真っ赤っかのぐっちゃぐちゃに流血描写あり!
特にガイの扱いが酷いです。キチです。   ガイアシュ要素がありますが、愛はありません。
ネタを読んでから本文を読むか決めてください。

 


ネタ

 
アッシュ帰還。ルークは精神だけアッシュの中に。(誰にも教えない)
でもアッシュは本当は帰りたくなかった。ルークが帰りたがって、身体をルークに渡す術が見つからなかったので仕方なく帰ってきた。ルークはアッシュの中で全てを見ている。
アッシュは精神的にやられているので、ほとんど眼が見えない。明るさと物の位置くらい。
(見たくないから)目の機能は正常なので、ルークにははっきり見えている。

帰ってきたのがアッシュと知ると、同行者は微妙になる。お帰りというが、心からではない。
屋敷の皆も戸惑いで遠巻き。父母も。
アッシュはもうどうでも良いが、ルークは傷つく。
跡取りにしようとするクリムゾンに、アッシュは
「俺は死んだのです。もう義務は果たし終えました。これ以上俺に何かを期待するのは止めて下さい。それに俺はもうほとんど眼が見えない。公爵家の仕事は出来ません。不満ならこの屋敷を出ます」とか。
今まで眼が見えないことも分からなかった公爵とシュザンヌは何も言えない。
ベルケンドかどこかで隠居生活。

ガイが狂って乱入。一見まともでルークの世話を公爵とかに申し出る。
アッシュを恨んでルークと混同してるので、暴行したり強姦したりルークと間違えて優しくしたりでアッシュますます壊れていく。
ジェイドは薄々ガイが何してるか気付いてるが放置。アッシュに興味が無いからどうなろうとどうでも良い。(ルークはそんなジェイドの心に気付く)
同行者は、アッシュをルークと呼ぶガイを見て、ルークを亡くしたガイの為に話相手になるくらい、良いじゃないかという。アッシュの気持ちは無視。

ルークは嘆き、アッシュ以外を憎むようになる。アッシュは壊れてるので、どうでも良いじゃないかとかそんな感じ。ルーク以外が話しかけても聞こえていない。皆無視されたと怒る。
(ルークが聞いていて教えるので、聞こえてると思われている)
どんどん壊れて、ほっとくと食事もしないので、ルークが中からアッシュに呼びかけて食べさせる。たまにルークモードになったガイが気持ち悪いほど世話を焼いて食べさせる。
ルークと呼びながら抱いたりするが、生前ルークとガイはそんな関係ではなかった。ガイの妄想だけ。アッシュはどうでも良いが、ルークは気持ち悪い。

アッシュがガイに暴行ルーク抱きされてるとき同行者来る。ガイを慰め、
「ガイにはそうするだけの理由があるのだから、仕方ないわ。ガイが正気に戻るまで、付き合ってあげたらどうかしら」
アッシュに甘んじて受けろというような態度にアッシュついに完全に壊れる。
アッシュの精神が粉々になるとルークが出てきた。

皆殺し。   世界崩壊。   ルーク発狂して自殺。

うわっ、すくわれねぇ。
 

 

 

 

 

                             
                                『大事なものは目蓋の裏』                                      
                                          

 


(もうすぐ帰れるね、アッシュ!)
(・・・そうか)

大譜歌に引かれて、俺達はタタル渓谷に降り立った。正確にはアッシュだけだけど。
身体は一つしか作れないとローレライが言った時、アッシュはおれに譲るって言った。
けれど、俺はアッシュに戻って欲しかったし、大爆発の後で俺が身体を動かすのは無理だった。
アッシュは俺をそっと心の片隅に入れて、連れてきてくれた。
俺が帰りたがっていたから。

(セレニアが綺麗だよアッシュ)
(そうか)
(そうかって・・・ アッシュ、もしかして見えてないの?)

目の前の岩に躓きかけるアッシュの足取りはどことなく頼りなかった。
(・・・明暗と、輪郭くらいは分かる。お前が見れば良いだろう? ルーク)
穏やかに笑うアッシュの気持ちが伝わってくる。
(俺は多分、どこかが少し壊れてしまったんだ。俺の代わりにお前が楽しめ)

アッシュは戻りたがらなかった。俺は死んだんだと頑なに言い張っていた。
(アッシュにも幸せになって欲しかったのに。アッシュは俺の為に戻ってくれたの?)
(そんなことはない。決めたのは俺だ。俺の楽しむ回路は少し壊れてしまったから、お前が楽しんで、俺に教えてくれ)

優しいアッシュ。ほんとは戦うことなんか嫌いだったって、死んではじめてわかった。
辛かったこと、悲しかったこと、そしてどこかが少しずつ壊れていったことも。
ねえ、きっとみんな喜んでくれるよ。
(みんなはあっちだよアッシュ)
そっとアッシュを誘導する。アッシュはおとなしく着いてきてくれた。
 

「ルーク! 貴方なの!」「ルーク!」
ティアとガイが走り寄ってくる。アニスとナタリアも。ジェイドはなぜか複雑な顔で立ち止まった。
皆が次々と止まる。なんで?
「貴方は・・・アッシュなの?」
「・・・・・・そうだ」

ティアが悲しそうに俯き、ガイがアッシュを睨みつけた。ガイ、なんで睨むんだよ。
アッシュ、帰ってきたのに。
「ルークはどうした!」
「大爆発が起きたのでしょう」
ジェイドが大爆発について皆に説明してる。今さらそんなこと言ってもしょうがないじゃん。
なんで喜んでくれないの?

みんな悲しそうに俯いて、アッシュのほうなんて見てくれない。
「お帰りなさい・・・アッシュ」
お帰りって言ってくれたけど、アッシュのほうを見ないようにしてる。
「いつまでここにいても仕方がありません。とりあえずバチカルに帰還の報告をしなければ」
ジェイドがさっさと峡谷を下りて行く。釣られるようにみんなも。


悲しくなってしまった俺を慰めてくれたのはアッシュだった。
(気にするな。元からあいつらはこんなもんだ。俺はあいつらのことはどうでも良いんだ)
でもそれは悲しいよ、アッシュ。

アルビオールに乗って、バチカルに向かった。座っているとガイが近づいてきた。
「なんでおまえだけ戻ってきたんだよ!」
いきなり殴られた。ガイの眼が怖い。もう一発殴ろうとしたところをジェイドが止めた。
「止めなさい、ガイ。これからバチカルに帰還するのですよ」

それってバチカルに行くんじゃなかったら放っておくって事? 誰もガイを責めない。なんで?
ナタリアが回復をかけてくれた。殴られた後が残らないように。
アッシュは何もなかったように、平然としていた。

ああ、アッシュの壊れてしまったのは、ここだったのか。
アッシュの心の小さな欠片が、ひとつぱらりと散っていった。


バチカルに帰った。屋敷で父上や母上が迎えてくれた。嬉しそうにルーク、と呼びかける。
「おれはアッシュです」
アッシュが静かに言うと、みんな一瞬固まり、複雑そうな顔になった。
母上は悲しそうな顔、父上はすっと目を逸らした。メイドたちは顔を見合わせている。

父上、母上! なんで喜んでくれないの? アッシュが、自分の子供が帰ってきたのに!

(ルーク、そんなに泣くな。せっかく帰ってきたんだから、ちゃんと顔を見てやれ)
ああ、アッシュはみんなの顔が見えてないんだ。俺はちょっとホッとして、そしてそのことが悲しくてまた泣いてしまった。

優しく慰めてくれたのはアッシュだけだった。
アッシュの全て諦めたような静かに凪いだ感情が、酷く哀しかった。
アッシュの心が、またひとつ壊れて散っていった。


しばらく屋敷で暮らしていた。みんな腫れ物を触るように、必要以上に近寄ってこない。
アッシュは部屋からあまり出ずに過ごしていた。よく見えないから。
皆なんで気が付かないの?俺がアッシュを誘導しても、躓いたりしてるのに。

朝食の席で、父上が言った。
「アッシュ、お前もそろそろ公爵家の跡取りとして、仕事を覚えなさい。いつまでも部屋に閉じこもっているのは感心しない」
アッシュは無表情で答えた。
「俺は死んだのです。もう義務は果たし終えました。これ以上俺に何かを期待するのは止めて下さい。それに俺はもうほとんど眼が見えない。公爵家の仕事は出来ません。それが不満ならこの屋敷を出ます」

「なに、それは本当か!」
父上と母上が真っ青になってアッシュを見た。アッシュの目の焦点が合っていないと、はじめて気が付いたみたいだ。

鏡ごしに見るアッシュの眼は綺麗に澄んだ翡翠なのに、見えないのは『見る』心の回路が壊れてしまった所為。世界に拒否され続けた証。どんな名医でも治せない。

(アッシュ、なんでみんなに何も言わないの?)
(言ってもしょうがないからだ。それにどうでも良いしな)
アッシュが穏やかに笑う。

 

アッシュは静養の為に、ベルケンドの別荘に行く事になった。
アッシュの王位継承権は、復活しなかった。ナタリアとの婚約も取り消されたままだ。
キムラスカは、アッシュを捨てた。

アッシュの心が少しづつ壊れていく。俺はこんな事望んでなかったのに!

(良いんだ、ルーク)
泣きじゃくる俺を宥めるアッシュは優しい。
こんなに優しいアッシュを、なんでみんなは気付かないんだ!


2週間ほど別荘で暮らしていたら、ガイたちが訊ねてきた。
ガイはアッシュの面倒を見たいと父上に言ったみたいだ。
ガイならアッシュのことわかってくれるかな。

その期待は次の日の夜、裏切られた。
メイドたちは全部バチカルに帰して、ここにはガイとアッシュだけだ。
ガイはいきなりアッシュを殴りつけてきた。倒れた所を蹴り飛ばす。何度も、何度も。
「なんで、おまえが! 俺のルークを返せ! お前が死ねばよかったんだ!」

止めてガイ! 止めてよ!

アッシュが気絶すると、頬を張ってグミを含ませる。
毎晩、そんなことが続いた。

殴られるたび、蹴られるたび、アッシュの心は少しづつ壊れていく。
痛みがわからなくなってきた。こんどはそこの回路が壊れてしまったのか。
ガイの目は、もう正気じゃなかった。なんで、みんなわからないの?


倒れて動かないアッシュに、ガイは優しく話しかける。
「ルーク、ルーク。そんな所で寝ちゃダメだろ? まったく俺がいないと何も出来ないんだから」
寝室にアッシュを運び込むと、服を脱がせた。
「ルーク、愛してるよ。俺のルーク」

嫌だ! 止めてガイ! 来ないで!

アッシュはガイに犯されても、平然としていた。何度も、何度も続けられる行為。
心は凍って、ぱらぱらと壊れていく。散っていく。
触覚が無くなった。暑いのも寒いのももう判らない。

止めて、もうアッシュを壊さないで!


アッシュは食欲も無くなった様だ。放っておくといつまでも食べないから、俺が一生懸命呼びかける。すると少しだけ食べてくれるのだ。

ある日ティアとジェイドが訊ねてきた。傷のあるアッシュに眉を顰めるが、何も言わない。
ガイはアッシュに『ルーク』と呼びかけて、甲斐甲斐しく世話を焼いている。

「ルークはまだ上手く歩けないから、すぐ転んじゃうんだよ」
ティアはアッシュの怪我を転んだ所為だと思ったみたいだ。けれどジェイドは、多分アッシュが何をされているか、ガイの状態がどうなっているか気付いたはずた。眼鏡に手をやってじっとアッシュとガイを見比べたから。
けれどすっと視線を逸らして、わざとらしいほど笑って帰ってしまった。

「ガイも『ルーク』が話し相手をしてくれれば、落ち着くでしょう」
「そうね」
ジェイドの言葉にティアも同意してしまった。

どうして! どうしてこんなアッシュとガイを残して行ってしまえるの?
ルークと呼ばれることをあんなにアッシュは拒否していたのに。アッシュの気持ちはどうでも良いの?

ジェイドの眼が、興味ないからアッシュがどうなろうと関係ないって言ってた。
ティアはもう耳も聞こえなくなったアッシュを、自分達を無視していると怒った。
アッシュの五感はもうほとんど残ってないのに。なんで誰も気付かないの?


俺は、あんた達が、憎いよ。

 

ガイがアッシュを殴りつけているところにティアとアニスがやって来た。
さすがにガイの様子が変だと思ったみたいだ。
ガイを止めたが、こんどガイはアッシュをルークと呼んで口付けを降らせはじめた。

アニスが唖然としている。ガイがおかしい事にやっと気付いた。
ティアはガイを痛ましそうに見た後、言った。

「ガイにはそうするだけの理由があるのだから、仕方ないわ。ガイが正気に戻るまで、付き合ってあげたらどうかしら」

ティア! 君はアッシュにこんな拷問を受け続けろというのか!
殴って犯したガイを責めずに、アッシュをガイの為の生贄にしようというのか!
どこまでアッシュを犠牲にすれば気が済むんだ! ふざけるな!

アッシュの心に最後に残った小さな欠片がパリンと砕けた。


(アッシュ!アッシュ!! うわあぁーあああ! アッシュ!!)


俺は絶叫した。ついに完全にアッシュは壊れてしまった。居なくなってしまった。

 


頭を抱え、蹲った俺は、不意に身体が動くのに気付いた。
ゆっくりと顔を上げると、驚いたような顔が眼に入る。

「ルーク・・・ルークなのか?」
嬉しそうなガイが近寄ってくる。
「ルーク・・・本当にルークなの? ・・・お帰りなさい」
「やっぱ、ガイの愛の力ってやつぅ?」

ティアとアニスが涙ぐんで顔を見合わせ、笑っている。

うるさい。 ・・・うるさいうるさいうるさい!!! 

アッシュが今、死んだんだぞ。気にも留めないのか。
お前らにとってアッシュの存在はたったそれだけのものでしかないのか。
俺の半身。俺の全てだったアッシュが死んだんだ!

 

爽やかに笑い肩を抱いてきたガイを、一撃で吹き飛ばす。
音素の塊で壁に磔にし、剣を抜いて近寄っていった。ぐさりと腹に突き刺す。
「ルー・・・ク、なにを・・・」
信じられないように見返すガイを、ありったけの憎悪をこめて睨みつけた。

「ルーク! 何すんのよ!」
「貴方はほんとにルークなの?」
止めようとしに来た奴らを、腕を振って吹き飛ばした。

ゆるさない。

「ガイ。いつ俺がお前に抱かれた事が有ったよ? キチガイの妄想は気持ち悪いんだよ!」
抜いた剣を肩に突き刺す。ガイの絶叫が響き渡る。
「眼が見えなくなるほど傷付いていたアッシュを、お前の妄想で粉々にしやがって」
右足を吹き飛ばした。
「止めてルーク!」

身体を起こしたティアとアニスを、反対側の壁に叩き付けた。 
「アニス、愛の力って何だよ。俺はずっとアッシュの中にいたよ? ガイはね、もう気が狂ってるよ。そんなことも分からなかった? ・・・アッシュを笑って殴りつけ、蹴り飛ばし、レイプしてたんだよずっと。アッシュをルークと呼んで気持ち悪く世話したりね」

青ざめる二人に続ける。
「ティア、ガイにはそうする理由がある? 付き合ってあげろ? ふざけるな。アッシュがガイに何したって言うんだよ。アッシュはだんだん壊れて耳も聞こえなくなった。知覚も無くなっていった。 ・・・さっき、アッシュの最後のひとかけらが砕けてしまったよ。お前らが寄ってたかってアッシュを殺したんだ! ・・・許さない。絶対に」


血塗れのガイに近寄り、手足を一本づつ飛ばしていった。悲鳴がだんだん小さくなる。
「嬉しいか? ガイ。俺が帰ってきてさ。お前は所詮、自分の妄想のルークを求めてただけだろ?」
「ち・・・ちが・・・」
「死ねよ、変態野郎」
ぐしゃりと全身が叩き付けた様に潰れた。俺は音素を自由に操れるようだった。きっとアッシュも出来ただろう。優しいアッシュは、全部自分で引き受けたのだ。それなのに!


アニスとティアの悲鳴が響く。
「ルーク! 知らなかったのよ。そんなつもりじゃなかったの!」
「アッシュも言ってくれれば良かったのに! しょうがないじゃん!」

もう言い訳は沢山だ。お前らはずっとそうだ。

「アクゼリュスで知らなかったって言った俺をあんなに責めたのに? 勝手だな。・・・アッシュの目が見えないのも耳が聞こえないのも、言葉が話せないのも見ていればすぐ分かったはずだ。お前らはアッシュと眼と合わせたことなんか無いじゃないか。何も知ろうとしなかったくせに」

ゆっくりと二人に近寄って手を翳す。
「ただいま、ティア、アニス。そしてさよなら。アッシュを殺したお前らを、俺は絶対に許さないよ。おまえらの顔は二度と見たくない、死ね、糞虫ども」


壁一面に、アカが飛び散った。
アッシュの髪は、もっとずっと綺麗だった。こんな汚いアカじゃなかった。
アッシュ、待っててね。俺がアッシュを壊したもの、全部壊してあげる。
まずは知ってて知らないふりをし続けたジェイドかな。それからバチカルの父上と国王陛下、ナタリアもか。実験してたベルケンド、小さなルークを殺したダアト。 ・・・預言。

何だ、世界中がアッシュを殺したんじゃないか。
全部、全部壊してあげる。
そしたら、会いに行って良いかな?
愛しいアッシュ。俺の半身。
鼻歌交じりに着替えると、俺はグランコクマに向かった。
 


「お久しぶりです、陛下。ただいまジェイド」

グランコクマに着くと、凄く歓迎された。謁見の間に通される。正面に陛下とジェイドがいた。
「お帰りなさい、ルーク」
ジェイドが優しく微笑む。 ・・・なんで、それをアッシュに向けてくれなかったの?

「アッシュはどうなったか聞かないの? ジェイド」
俺の笑顔を見て、ジェイドが不審そうになった。
「アッシュはね、狂ってたガイに毎日暴力振るわれて、強姦されて、あの馬鹿女どもに責められて死んでしまったよ。俺はずっとアッシュの中から見てたのに気付かなかった?」

驚愕に固まるピオニーと無表情になるジェイド。あんたはいつもそうだ。知ってて知らないふり。

「ジェイドはアッシュがガイに何されてるか、薄々気付いてたよね。またお得意の『確信がもてないので言いませんでした』って? ・・・面倒だから? 興味ないからアッシュがどうなっても良かったんだ。
・・・卑怯者」

ピオニーが青ざめてジェイドを見、ジェイドは眼を伏せた。
「あんたが言ってくれれば、アッシュは助かったかもしれない。けれどもう、最後のひとかけらまでアッシュの心は粉々になってしまった。アッシュが死んだから俺が出てきたんだよ」
「恨んでくれて結構です」
「かっこつけんなよ。あんたはただ興味が無かっただけでアッシュを殺したんだよ。 ・・・恨むの、当たり前だろう!」

びしゃっとジェイドの手足を千切った。絶叫が響く。
衛兵達が腰を抜かした。

ピオニー陛下が青ざめ、言葉をふり絞る。
「ルーク・・・本当にすまなかった。許してくれ」
俺はにっこりと笑いかけた。
「俺は、罪を全部アッシュになすりつけて、よってたかってアッシュを壊した世界を許さない。 ・・・絶対に」

ジェイドであったモノをぐちゃっと叩き潰した。
騒ぎを聞きつけた煩いゴミどもが俺を恐る恐る囲もうとするから、次々に弾け飛ばしてやった。
王の間が、真っ赤に染まる。まだ足りないよ、アッシュ。笑いが込み上げる。

「陛下。最初が良いですか? 最後が良いですか?」

言葉を失ったピオニー陛下が、眼を閉じた。
「お前をそこまで狂わせたのは、俺たちか・・・」
「俺は正気ですよ? ただ全てを憎んだだけだ」

俺は笑いながら、力を解放した。
王宮を中心に水の都が崩壊していく。瓦礫すら残してやるつもりは無かった。
グランコクマの有った半島は、海に飲まれていった。
俺はふわふわと空中に浮かびながら、それを見ていた。音素に包まれて飛べるみたいだ。
もっと早く分かっていたら、ここまですぐ来れたのにさ。

さあて、次はバチカルに行こうか。

 

謁見の間にはちょうど皆がいた。入って行った俺を、驚愕して見つめる。

「まあ、アッシュ! 無事でしたのね。別荘が何者かに襲われ、ガイたちが亡くなったという報告があって心配していたのです」
「アッシュ、眼が見えるようになったのか?」
ほんとに馬鹿どもだな。アッシュはこんな奴らに囲まれていたのか。

「俺はルークですよ。ナタリア、そんなこともわかんないの?」
「まあ。ルークでしたの!お帰りなさいませ!」
「ルーク、良くぞ戻った。これでファブレ家は安泰だな、クリムゾン」

馬鹿親子。口を利くのも嫌だ。父上はさすがに微妙な顔してるか。
「ルークよ。アッシュはどうなったのだ?」
父上の言葉に、俺は答えた。

「アッシュは殺されました。父上、何故ガイをアッシュの側に置く事に同意したのです。何故、別荘へなんかやったのです。アッシュは身体と言葉の暴力を受け続けていました。アッシュがどんどん壊れていくのを俺はアッシュの中から見ていました。 ・・・アッシュを殺したのは貴方達ですよ、父上」

「な・・・んだと」

「アッシュは小さい頃からずっと殺され続けて、もう生きることを諦めてしまったんだ。俺の我侭でアッシュは戻ったけど、貴方達はそれでもアッシュを殺し続けた。ねぇ、なんでアッシュを殺したの? なんで、なんで、なんで!!」

俺の断罪に、皆固まってる。おれは泣きながら、狂ったようにわらった。


「おれは、アッシュを壊したものすべてを壊すことにした。考えたら、なにものこらなかったよ。
だってせかいじゅうがアッシュをころしたんだから」


おおごえでわらいながら、おれはひとりづつつぶしていった。どんどんまわりがアカくなる。
おうざがまっかにそまった。


こんなきたないアカじゃなくって、あっしゅのあのきれいな紅がみたいな。きっときれいだったろうに。

こんなきたないところ、さっさとこわしてしまおう。なにがひかりのおうとだってんだよな。
こんなとこくそだまりでじゅうぶんだよ。いなくなれうじむしども。

ぐちゃぐちゃにこわれてくずれおちていく。
なにものこしてなんかやらない。
あっしゅはかけらものこさずきえてしまったんだから。


おれはふわふわだあとのうえにきた。

ひょいっとてをやるとたかいきょうかいがべしゃっとつぶれた。

あはははははは!!

こんなとこあるからよげんなんてばかげたものにふりまわされたんじゃないか。

ちからをこめたら、ざれっほかざんがばくはつした。きれいなあかがみんなのみこんでいく。


ああ、あのあかはきれいだな。
あっしゅがほめてくれた、おれのかみににている。


このあかで、せかいじゅうを、そめてしまおうか。 ぜんぶ、ぜんぶ。

せかいがきれいなあかにそまったら、きっとあっしゅのところにいける。

 

まってて、あっしゅ。

 

もうすぐいくから。

 

 

 

 

 
惑星オールドラントは、原因不明の地核変動により壊滅した。
奇しくもそれは、ユリアの預言にあった消滅の年と同じ年であった。
 


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tafuto
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自己紹介:
作品は全部書き上げてからUPするので、連載が終わると次の更新まで間が空きます。

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