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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.30,Tue
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Posted by tafuto - 2007.12.15,Sat

 

いよいよ大地降下の日を迎える事となった。
バチカルの前にはアルビオールが止まっており同行するものが並んでいる。
目を赤くしたティアとガイの姿も有った。
ガイはアッシュに頼み込んで護衛として同行することになったのだ。
ルークとエステルの他にはジェイドとシンク、アリエッタ、ラルゴ、メリルが選ばれていた。
そこにクリムゾン王とシュザンヌ王妃が表れた。

「さあ、行きましょう。」
にっこり笑ってアルビオールに乗り込む王妃に、王が続いた。
みんな口をあけてそれを見ていた。
「ち、ちょっと待ってください!母上、父上!」
ルークが慌ててそれを追う。
「何だ、早くしろ。」
当然のように言うアッシュに絶句したルークは溜息をついた。こうなったら誰にも止められない。

アルビオールは飛び立った。
(後でそれを知ったピオニーが、自分も行きたかったと悔しがった)

 

アブソーブゲートの長いダンジョンを抜け、一行は最終地点であるセフィロトにたどり着いた。
ここまでの戦いで、秘奥義連発のクリムゾン王にも驚いたが、ジェイドをも凌ぐのではないかと思われるシュザンヌ王妃の戦いっぷりに誰もが度肝を抜かれた。

「誘拐された時に、母上が来てくれたと思ったのは、夢じゃなかったんだな・・・」
嬉々として譜術をぶっ放す母の姿を見て、ルークは遠い目をしていた。
エステルは(母上、すっげえ!今度教えてもらおう!)と目を輝かせている。


「さあ、時間は無限では有りませんよ。ルーク、エステル、準備は良いですか?」
ジェイドの言葉に一同は気を取り直す。
ティアがユリア式封咒の前に歩み寄った。封印が解かれ、よろめいたティアをメリルが支える。
ジェイドの指示の元にルークが書き換えを行っていった。
細かい作業はやはりルークの方が秀でている。
書き換えが終わるとエステルはルークに寄り添い、二人で力を合わせて大地を降下させていった。
不安そうなエステルに、アッシュが声をかける。

「大丈夫だ、力を合わせればきっと出来る。民は降下の影響を受けない内陸に集めてある。思い切りやりなさい。」
「はい、父上!」
大地は重い音を立てて徐々に降下していった。・・・やがて振動が止まる。
ルークとエステルが同時に膝を付いた。荒い息を吐きながら、顔を見合わせて笑った。
「「やった!成功だ!」」
パシンと手を打ちつける二人を、ルーが抱きしめた。
「頑張ったね、二人とも・・・」

 

アッシュとルーは息子達に手を貸して立ち上がらせると、静かに何かを待っていた。
怪訝そうな息子達が二人の顔を覗き込んだその時。

「「うっ・・・!」」
二人揃って頭を押さえ、しばらく俯いていたルークとエステルの胸元から光が溢れ、光が消え去った時には二人の手には剣と宝珠が残されていた。


「ローレライは何と言っていた?」
ルークを支えながらアッシュが問いかけた。
ルークは呆然としながら答える。
「これで自分を解放しろ、と…」
「そう・・・もうちょっと頑張れる?ルーク、エステル。」
優しく笑いながら頭を撫でる母親に、二人は威勢良く承諾を返した。


しばらく休息し、食事を取って疲れを取ると、ルークとエステルは並んでセフィロトツリーの前まで歩いていった。他の者に少し離れるように指示すると、アッシュとルーもその後を追う。
宝珠と剣を合わせてローレライの鍵を作り出したルークとエステルは、二人で鍵を握ると床に突き立て、カチリと回した。

4人を飲み込むように譜陣が浮かびあがる。
一瞬の静寂の後、朱金の光が譜陣から溢れ出した。

 

(礼を言う!アッシュ、ルーク、それに聖なる焔の光たちよ!やっぱ我の判断は正しかった!
なんてナイスアイディア、凄いぞ我!)

イヤッホー!と辺りをぐるぐる飛び回っている光の固まりに、一同は唖然とした。
「・・・・・・コレが、ローレライ?」(あのまま閉じ込めておいた方が良かったんじゃね?)
エステルがポツリと呟いた。

「オイ、ちったぁ落ち着けよ。」
どんどん眉間の皺が深くなっていったアッシュが、地を這うように声をかけた。
ハッとしたローレライが(蹴り飛ばされた事を思い出した)アッシュとルーの前に降りて来る。
(ゴホン・・・改めて礼を言う。何か礼がしたい、我に望みはあるか?)
いきなり重々しくなったローレライの口調にアッシュの白い目が向けられる。


ルーがにっこり笑って望みを口にした。
「ルークやエステルを犠牲にしない瘴気中和の方法を教えて?」
(む・・・少し手間がかかるぞ。・・・ユリアの子孫よ、ここに来るのだ。)
ローレライに指名されてティアが、恐々と近づいて来る。
(お前に預言を詠んで貰う。なに、我が手を貸すので心配ない。)
そういうとローレライはヒュルリとティアの中に入り込んだ。


ローレライの鍵を捧げ持つティアの大譜歌が朗々と響く。
やがて歌が終わると、ティアの前には大きな譜石が残された。
気を失い倒れこむティアの体から抜け出したローレライは、アッシュとルーに声をかけた。
ティアの身体はメリルが見ている。

(これで良いであろう・・・ルーク、アッシュ。世話になった・・・お前達、もうあっちのローレライの所に戻るか?)
顔を見合わせた二人は苦笑して答えた。
「いや・・・俺たちは最後まで見届けたいと思う。」
(そうか・・・それならば、この世の生が終わる時また迎えに来よう。今一時の別れだ・・・さらば。)
朱金の光は天に向かって昇って行った。

 

呆然とする者達の中から、ジェイドが歩み寄って来る。眼鏡を手で押さえていた。
「・・・色々興味深いやり取りでしたが、教えて頂けるのでしょうか?貴方がたは一体何者なのでしょうか
・・・あまりに先の事を知りすぎている。先ほどローレライはシュザンヌ様に『ルーク』と呼びかけた。もしかして貴方達は・・・」

「確証の無い事は口にしない。ではありませんの?」

ルーが片目を瞑りながら人差し指でジェイドの唇を押さえた。
ムッとしたアッシュがルーの指を取り戻して自分の胸に抱く。
「それを語ることは出来ない。追求しないで貰おうか。」
「そう、私たちはローレライに頼まれて『聖なる焔の光』を生んだだけですわ。」


にやりと笑うアッシュとルーに、苦笑を返しながらジェイドは恭しく答えた。

「・・・御意にございます。」

 

「ああ、そういえばローレライがお土産をくれました。どうぞ、ジェイド。あなたが一番役に立ててくれるでしょう?」
ルーが譜石を指差して微笑んだ。
譜石を覗き込んだジェイドの眼が驚愕に見開かれる。


「これは!ソイルの木の浄化システムを応用した瘴気中和の方法ではないですか!これがあればディバイングラインで地下に封じ込めた瘴気が、地上に現れる前に中和する事が出来る。」
アッシュとルーは顔を見合わせると、楽しそうに笑った。
「ああ、そう言うモノか。確かに役に立ちそうだ。・・・じゃあ、専門家に任せた。あとで内容を教えてくれ。」


アッシュは息子達の方に近寄ると、二人をぎゅっと抱きしめた。ルーも寄り添い、4人は抱きしめ合った。

「良くやった、二人とも。これで世界は滅亡から救われた・・・預言は、覆されたぞ!」
「お疲れ様vルーク、エステル。さあ、家に帰ろうか。」
「「はい!父上、母上!」」

 

                         ※あと一話で完結です。よろしくお付き合いくださいv

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