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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2008.01.25,Fri

※ティア好きさん注意。けっこう酷いです。 




ジョゼットはシェリダンに来ていた。
地核の流動化を止める装置が出来た、とのピオニーからの知らせを受けたルークが、城から動けない自分の代わりにジョゼットを派遣したのだ。
「セシル殿、貴女がいらしたのですか。ルーク様はお元気でいらっしゃいますか?」
ジェイドと共にいたアスランが笑顔で挨拶をしてくる。それにぎこちなく笑みを返しながら、ジョゼットは装置の説明を受けた。


突然、辺りが騒がしくなる。兵士が一人飛び込んできた。
「敵襲です!オラクル兵が多数、住民を巻き添えにしながら我々を襲ってきます!」
「迎え撃て!住民への被害を最小限にしろ。技術者はカーティス大佐と共に港へ!」
指示を飛ばすアスランにジョゼットが叫んだ。
「フリングス殿、ここは私が!貴方はカーティス大佐と港へ!」
ジョゼットと一瞬目を見交わしたアスランは、一つ頷いた。
「頼みます。・・・どうか気をつけて。」


技術者を連れてアスランとジェイドが港に向かう。この計画を失敗するわけには行かないのだ。
ジョゼットは騎士達に指示を出し、剣を抜いた。
次から次へと襲ってくるオラクル兵たちを切り伏せる。
(こちらの手勢が少なすぎる・・・!しかしここで防がなければ、計画が。)
味方が次々と倒れていく。息を荒くしたジョゼットが、膝を付いた。
振り上げられた剣に、死を覚悟したその時、目の前のオラクル兵が吹き飛んだ。

「何をしている。お前にはまだ死んでもらうわけには行かない。」
黒い影が舞う様に走り抜けたとき、身体を切り飛ばされたオラクル兵たちが辺りに散乱した。
男は息も乱さず切り払い、焼き尽くした。
ものの数分で立っている敵兵の姿は無くなった。
「あ・・・アッシュ殿! 私を、港に! お願いです、彼らを助けて!」
「ああ、計画が失敗したらまずいからな・・・」
縋るジョゼットの腕を掴むと、アッシュは港へと跳んだ。

 

装置を積み込んだタルタロスを目前にして、アスラン達はリグレットと対峙していた。
ラルゴとリグレットの連携に翻弄され、技術者を守る事で精一杯だった。
「カーティス大佐、私が隙を作ります。あなた方はタルタロスへ。」
小声で出した指示に、ジェイドが小さく頷く。

ジェイドが譜術を放った瞬間、アスランはリグレットの前へと躍り出た。
ジェイドたちが走り抜けていく。銃口を向けたリグレットを牽制し、追おうとしたラルゴに身を翻して剣を叩き付けた。
そのままラルゴと切り結ぶアスランに、リグレットの銃が放たれた。
肩を撃ち抜かれて地に転がるアスランにラルゴの大鎌が迫る。
その鎌の刃が、突然光を纏って消失した。
「その辺にしておけよ。うざってぇんだよ、雑魚が。」
男の声にラルゴが飛び退く。リグレットも警戒したように距離をとった。
「まだやんのか? あいつらはもう出航したぜ、それともここで死ぬか?」
にやりと哂った赤い髪の男の言葉に、リグレットは舌打ちをして身を翻した。


「フリングス殿!」
臥しているアスランにジョゼットが駆け寄る。
「セシル殿・・・・・・」
震える手でグミを含ませるジョゼットの眼に浮かんだ涙を、不思議な気持ちでアスランは見ていた。
・・・その涙の理由を、知りたいと思った。

 

傷ついたアスランを宿に寝かせ、ジョゼットは部屋を出た。
日が傾きかかった薄暗い廊下に、男が腕を組んでもたれかかっている。

「何故彼らを逃したのです。あなたなら、彼らを殲滅する事は容易かった筈です。」

アッシュはジョゼットと視線を合わせず、呟いた。
「・・・・・・ディバイングラインで瘴気を押し込んでも、長くは持たない。俺が消えた後、瘴気が出てきたら皆はどう考えると思う?」
ジョゼットは瞠目した。
瘴気を消せるのは超振動。そしてその超振動を使えると言われているのは、世界でただ一人。
「ルークを利用させはしない。瘴気は一度、世界を覆う必要があったんだ。・・・俺が存在しているうちに。」

「・・・あなたは・・・・・・どうなるのですか・・・」
アッシュは、答えなかった。

 


ティアは灼熱の道を歩いていた。ふらつくイオンの腕を取り、引き摺るように連れている。
(コレは人じゃ無いのだから、罪に思うことなんか無いわ。秘預言を知るために必要な事なのだから。何故リグレット総長は私に最終預言を教えてくれないのかしら・・・)
やがて前方に巨大な譜石が見えてくる。
ティアはその前にイオンを押し出した。
「さあ、預言を詠んで頂戴。貴方はその為に作られたんだから!」

息が切れる。
リグレットに言われてパッセージリングの封咒を解き始めた頃から、身体のあちこちが痛む。
リグレットを疑う気持ちを押さえつけながら、ティアはイオンを睨んだ。
諦めきったような眼をしたイオンが、力を振り絞って預言を詠みだした。
「・・・・・・これが、オールドラントの、最後である・・・」
力を使い果たしたイオンが崩れ落ちた。
愕然としたティアが、イオンの肩を掴んで揺さぶる。
「でたらめを言わないで!・・・そうだわ、リグレット総長は、滅亡から世界を救おうとしているのだもの! やっぱり総長が正しいんだわ! 預言は覆さなくてはならないのよ!」

悲しそうに眼を閉じたイオンがゆっくり光の粒になって消えていった。
それを一瞥もせず、ティアは喚き続けた。


ザリッ、と焼けた岩を踏む足音が近づいてきた。
眼を上げるティアの前に、赤い髪の男が立つ。
「預言なんてもうとっくに覆されてるじゃねぇか。リグレットは死んだ男の道連れにするために、世界を滅ぼそうとしてるだけだぜ。・・・馬鹿な女だ。」
かっとなったティアが怒鳴る。
「何よあなた、失礼なこと言わないで! 総長は世界を救おうとしてるのよ!」
「リグレットの目的は、大地全てを崩落させて人を皆殺しにすることだ。・・・ヴァンの目的もな。
何が世界を救うだ。ヴァンが死んだのは自業自得だ。もっと苦しめて殺してやればよかった。」

嘲笑う男にティアは叫んだ。
「そんなの嘘よ! あなたが兄さんを殺したのね! 許さないわ!」
「それはこっちの台詞だ。」
ロッドを振りかぶって攻撃してきたティアを、アッシュは拳で殴りつけた。喉を潰されたティアが悶絶しながら蛙のような声を洩らす。
ティアの長い髪を掴むと、アッシュは火口まで引き摺って行った。
「ぁ・・・め、で・・・!!」
暴れるティアを吊り下げる。
「ヴァンは、レプリカをこうして何人も殺していったぜ。お前もレプリカをモノだと思ってるんだろう? 前のお前も傲慢だったが、今のお前は屑以下だな。」

アッシュはまるでゴミでも捨てるように手を離した。不快そうに手を拭う。


「さて、大地を降下させるか。」
焼けた臭いを気にもせず、アッシュはパッセージリングへと歩いて行った。

 


その日、オールドラント全土に断続的に地震が発生した。
地鳴りは30分ほども続き、止まった。
その意味を知るものは、ほんの一握りだった。

 

 

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