アシュルクED後 二人で帰還 ハロウィン イチャイチャv
『 カボチャの王子様 』
俺とアッシュはエンゲーブの近くの小さな村にここ数日滞在していた。
ああ、ローレライを解放して二人で戻ったんだけど、みんなには知らせないで二人であっちこっち旅行してたんだ。 へへ・・・内緒だぜ!
いつものどかな村が、今日は何だか騒がしい。
大人も子供も楽しそうに集まって笑ってるんだ。
どこを見てもこの村の名物のでっかいカボチャが山のように積まれている。
収穫のお祭りなのかな?
「なあ、今日はお祭りなのかい?」
俺はベンチに座ってカボチャを膝に置いて何かやってる子供に訊いてみた。
子供は俺の方を向いて、カボチャのお化けを見せながら全開で笑った。
「お兄ちゃん知らないの? 今日はカボチャのお祭りなんだ! こうやってカボチャをくりぬいてランプにして、お化けのカッコして「トリックオアトリート」って言うと、お菓子をもらえるんだよ!」
「ええっ! 知らなかった・・・ 俺もやりたい! 教えてくれてありがとな!」
お化けのカッコして、アッシュを脅かしてやろう! そんでお菓子をもらうんだ。
俺はウキウキしながらカボチャを買って、アッシュの待ってる小さな宿に戻った。
カボチャに顔を書いてさあくりぬこうとナイフを出したとたんにアッシュのゲンコツが降ってきた。
涙目で見上げる俺を仏頂面のアッシュが睨む。
「てめぇ、無駄遣いすんなっていつも言ってんだろ! カボチャはなぁ、皮まで食える
栄養価の豊かな素晴らしい食料なんだぞ!」
戻ってからのアッシュは(金に)苦労したせいか、みみっちくなっちゃって・・・
嘘です、何も言ってません! これ心の声だから! ああ~俺のカボチャお化けがぁ~・・・
もう一発殴られて、俺のカボチャはアッシュに拉致されてしまった。うんと目つきを悪く作ってアッシュって名付けようと思ったのに・・・。
カボチャのアッシュはアッシュの手で台所で真っ二つにされている。
うわぁ~アッシュ惨殺事件! 犯人はアッシュだ! なんてね。
こんなことでも考えてなきゃ、やってられっか! アッシュのばーか!
・・・せっかく、アッシュといっしょに楽しもうと思ったのにさ。
俺は不貞腐れてシーツをかぶって椅子の上で膝を抱えてた。
アッシュは台所で奮闘中だ。・・・もう少しかまってくれても良いじゃん。
そのうち台所から良いにおいがして来て、お皿を持ったアッシュが俺の頭をポンポンとなでた。
「おいルーク、いつまで不貞腐れてるんだ」
美味しそうに煮えたカボチャが俺の目の前に置かれる。
お腹がグーと鳴った。
「あ~ぁ・・・『とりっくおあとりーと』って言おうと思ったのに・・・」
シーツから顔を出してフォークを手に取った俺は、カボチャを一口頬張った。・・・うん、美味い。
アッシュは金のかからない料理に目覚めたらしくって、いつも美味しいものを作ってくれる。
それは嬉しいんだけど、こう、もうちょっとイベントを楽しむとかしても良くない?
「なんだ、菓子が食いてぇならこれでも食ってろよ」
つやつや熱々のパンプキンパイと、カボチャを練り込んだスコーンが目の前に出てきた。
とろりとしたカボチャのジャムも添えてある。
うわぁ! すんげぇ美味そう! アッシュ、また腕を上げたんじゃね?
目を輝かせて出来立てのお菓子を口に運ぶ。サクサクのパイにバニラアイスが添えてある。
うゎ~美味しい! ・・・幸せ~v
脇目も振らず一心不乱にたいらげていく俺を、アッシュはにやにや笑いながら見てた。
「ごちそうさま! すんげー美味しかった!」
スコーンの最後の一口を食べ終わった俺に、アッシュはそりゃあ良い笑顔で言った。
「Trick or Treat」
「え・・・っ?」
お菓子なんて持ってないよ。いま全部食べちゃったもん。
固まって笑顔のまま冷や汗を流す俺の、被っていたシーツを捲り上げてアッシュが入り込んで来た。
二人してシーツを被って・・・・・・ちょ、アッシュ。顔が近いよ!
「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ」
にやりと笑うアッシュの悪辣な微笑みに、俺はハメられたことを悟った。
「ず・・・ずりぃぞ!」
くっくっくと悪人みたいに笑いながら、優しくアッシュの唇が触れてくる。
悪逆非道のアッシュの企みに、俺は両手を上げて降参しちゃったのだった。
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