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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.14,Sun


 
 
-シリウス-
 
 
やっとアッシュに会えた。
眼とか潤んじゃって、可愛いったらないよ。けど随分ガリガリに痩せている。いっぱい食べろよ。
監禁、辛かったか? ルゥに会えたかな。
お前の此処での生活が、少しでも楽しいと思えるものになるように、頑張るよ。
自由に動くには、根回しが必要だ。じっくりやらなきゃならないから、もう少し辛抱な。
 
 
リンチに遭っているアッシュを助けて部屋に連れて行ったら、ヴァンに会っちまった。
思わず睨みつける。なんか狼狽してるが、知るか。

アッシュを介抱して部屋を出たら、待っていたヴァンに捕まった。部屋に引っ張り込まれる。
なんかくどくど言ってるが、俺はちゃんと面接を受けて入ったんだ。俺の上司はトリトハイムなんだよ。お前の言う事聞く義理はないんだ。

口付けしてきたが、股間を蹴り上げてやる。悶絶したヴァンに吐き捨てた。
「・・・幼児虐待野郎なんかと寝るのは、お断りだ」
部屋を出て、一発ドアに蹴りを入れてから、俺は明日の仕込みに厨房に帰った。
それから、たまにヴァンも食堂に来るようになったが、俺はシカトぶっこいた。何か言いたげにこっちを見ているが、知るもんか。アッシュになんかしてみろ、膾(なます)にしてやる。
 
 

アリエッタが来るようになった。
初めはナマっぽい物しか食べなかったが、徐々に慣れて、甘い物も食べるようになった。
アッシュと並んでおやつを食べている姿は微笑ましい。
アリエッタの連れていた仔ライガに屑肉をやって撫でたら、えらく懐かれた。
 

ある日アリエッタに頼まれた。イオン様のために美味しい物を作ってくれと。
俺は快諾し、昼に食事を持っていった。(もちろんアリエッタを連れて行った)

『イオン』より擦れてて『シンク』よりツンデレじゃない感じのオリジナルがそこに居た。
俺が持ってきた料理を、備え付けのキッチンで仕上げをしてから出す。
驚いた事に、毒見をせず食べた。『以前』アニスも毒見してなかったな。導師守護役ってのは毒見はしないものなのか?
美味しいと誉めてくれて、同席を請われた俺は、勿体無いからイオンのために教団から出された今日の食事を食べることにした。 ・・・ところでどこで作ってんだ? これ。
 


一口含んで、俺は動きを止めた。
・・・毒だ。これは何年もかけて少しずつ体力を削っていく、暗殺用の毒だ。
そういうことか。導師イオンは預言に詠まれた死に向かって、追いやられていたのか。
毒見をさせないのはわざとか。
イオンとアリエッタは和やかに食事をしている。どうしよう、言ってしまうか。
 

食事を終えた二人に、話しかけた。
「導師イオン。預言は絶対で、外してはならないと思いますか?」
目を瞠ったイオンは、静かに答えた。
「預言は覆せないでしょう?」
「そんな事はない。小さな事なら、何度も外れています。此処で言うのは不敬ですが」

興味深そうにこっちを見るイオンに言葉を続けた。
「・・・この食事には、毒が盛られています。少しずつ身体の弱っていく毒が。この意味がお分かりですか?」
アリエッタが目を瞠り、イオンが絶句した。

「あなたは預言を覆しても良いと考えますか? ・・・この答えが出たら、お話したい事があります。
アリエッタ、しばらく俺が導師の食事を作るから、取りに来てくれるかい?」
無言で頷くアリエッタの頭を一つ撫でて、一礼し、俺は部屋を出た。
 


次の日、アリエッタが食事を取りに来た。
「・・・イオン様、考えてる、です。死んじゃう、ですか?」
小声で話すアリエッタに、俺も小声で返す。
「彼が決めることだ。けど、生きるんなら、俺はアリエッタに教えたい事がある」
頷いたアリエッタは食事を持っていった。

さらに次の日、イオンに呼ばれた。食事のお礼の名目だったが、目が真剣だった。
「僕は、預言を覆したい。死の預言を詠まれたくらいで、生きる事を諦めたくない」
「いい顔だ。・・・・・・実は俺は、ユリアの子孫なんだ。誰にも知られてないから、内緒な? それで、ローレライの宝珠を持ってる。視る気はあるかい?」
唖然としたイオンは、すぐに強く頷いた。誰にも聞かれないよう、アリエッタに外の見張りを頼んで、宝珠を出現させた。

恐る恐る手を触れるイオン。俺にもユリアの願いが伝わってくる。
暫くして、ハァ、と大きく溜息をついたイオンが言った。
「これが消滅預言。しかし、ユリアは外れる事を願ってこれを詠んだのですね。一体いつから教団は預言を絶対視してしまったのでしょうね・・・」
「さあね。けど、俺はこいつを覆したいんだ。俺の大切な人たちと幸せに生きる為に。協力してくれないか? 一人では、難しいんだ」
「もちろん、喜んで」

 

こうして俺は強力な後ろ盾を手に入れた。
アリエッタには、毒見のことを教えた。暇を見て、毒の事について俺が知ってる限りの事を教えてやろう。
 
 
トリトハイムとヴァンに許可を貰って、教会の裏手の森に小さな家を建てた。正門からは遠いが食堂の裏口からは実は(塀を乗り越えると)近くて通勤に便利だ。内緒話も出来る。
休みの日もメニューを考えたいんです。出来たら差し入れしますよv ・・・なんて可愛く言ってみたら、一発OKだった。


さて、本拠地と強力な仲間が出来たぞ。
 
 
 

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