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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.21,Sun

 
 
 
俺は何とかして屋敷から逃げ出したかったが、隙がねぇ。しょうがないから勉強や剣の稽古に精を出すことにした。白光騎士につき合わせて剣や譜術を稽古する。
ダアトにいた頃、特務師団であちこちに仕事に行っていたから、『ルーク』よりは使えるだろう。
白光騎士達は驚きながらも結構熱心に稽古をつけてくれた。
 
 
こうして俺は17才になった。
ある日ヴァンが訊ねてきた。渋い顔をする父上に、あれは誤解だとか言って凄い勢いで謝り倒している。俺は興味ないから庭に出ている事にした。
 
30分ほどした頃、ヴァンが庭に出てきた。晴れやかな顔をしている。
ちっ、父上が言いくるめられたか。
ヴァンが俺に近寄ってきた所に、歌声が響いてきた。警備の騎士が膝を付いて倒れこんでいく。
 
「ヴァンデスデルカ、覚悟!」

長い髪の女がヴァンに切りかかっていく。それは別にいいんだが、不審人物は捕らえないとな。
ヴァン、こんな騒ぎ起こしたらお前もう一生ここには来れないな。ざまあみろ。
俺は倒れた騎士から剣を取り上げると、女に向かっていった。
 
 
そして気が付くと、花畑の真ん中に倒れていた。
 

 
 
 
 
「ちょっと待ちなさい!貴方、ひとりでどこに行こうって言うの!」
ヒステリックな声が俺の後ろからかけられる。・・・ちっ、眼を覚ましやがったか。おとなしく寝ていればいいものを。

「どこだって良いだろ。女、お前何故ファブレ家を襲った。」
「兄さんとのことは、あなたには関係ないことよ。」

どこまで馬鹿なんだ、この女。俺は冷笑する。
「お前が公爵邸を襲撃した時点で、お前の極刑は確実だ。しかもファブレの子息であるこの俺を誘拐して、なんで無関係なんて言えるんだ。眼を覚まさなかったら見逃してやったのに。」
「あれは個人的なことよ!私があなたを責任持って家まで送り届けるわ。」

本当に馬鹿だ。戻ったら即死罪だぜ?自分のやったこともわかってないのか。
「・・・女、名をなんと言う。」
「人に名前を聞くときは、自分から名乗るものよ。」
「あいにく、賊に名を名乗るつもりは無い。」
「まだ言ってるの!あれはそんなつもりじゃないって言ってるでしょう!・・・あなたはルークね、私はティアよ。」

俺はいつ名を呼ぶことを許したよ。それも俺の名を知っていてタメ口か・・・まあ良い。人里まで護衛させたら捕らえれば良いか。
 

驚いたことに、送るといったその口で俺を盾にしようってか。
女を守る気の無い俺にぎゃんぎゃん喚いてるが無視だ。俺は自分の身しかまもらねぇ。

峡谷の出口に辻馬車がいた。女はペンダントを渡してこれに乗ることにしたようだ。大事なものらしかったが、俺には関係ない。首都まで、とか言ってるが、ここはタタル渓谷だろう?マルクトに行っちまうじゃねぇか。まあ良いか、マルクト見物でもしてバッくれるとするか。いざとなったらマルクトに預言ぶちまけて亡命しちまおう。
 

タルタロスに行き会ってここがマルクトだって気付いた女がエンゲーブで降りた。俺は嫌がったが引き摺り下ろされた。しょうがねえ、まあ、急ぐ旅でもないしな。
エンゲーブの作物はさすがに旨そうで、幾つか買って親父と談笑していると、女が騒ぎを起こした。泥棒の嫌疑をかけられ引っ張っていかれる。俺は真っ先にマントを買って被っていたので、見分けられなかったようだ。そのまま捕まってろよ。
俺は宿に向かった。
 
 

早起きの習慣がオラクルで付いていた俺は、夜明けごろに目を覚ました。
窓の外を懐かしい顔が通る。イオンだ。オラクルではアリエッタと共に、数少ない友達だった。
俺は後を付いていった。
森の中で、魔物と対峙していたイオンを助ける。
「あ・・・あなたは?助けてくれてありがとうございます。」

・・・? 俺のことを覚えていないのか?
これはイオンじゃない。アリエッタもいない。イオンは身体を壊していた。まさかレプリカか・・・
「おれはルーク。」
「聖なる焔の光ですね・・・良い名前です。」

間違いない。俺が『ルーク』を捨てさせられたのをイオンは知っていた。これは身がわりか。
と思っていたら、煩い女が追いついてきやがった。
ご丁寧に自分の階級まで名乗ってくれたぜ。これで捕らえるのが楽ですむ。しかし、ダアトはキムラスカに戦争でも仕掛けたいのか?いや、この女が馬鹿なだけだろう。
 

チーグルの依頼でライガと話をつけに行った。みゅうみゅう煩い奴が一緒だ。・・・ウゼェ。
驚いたことに導師はただ出て行けといっただけだった。それは交渉って言わないぜ?
馬鹿正直にチーグルがそのまま伝えやがったから、ライガは怒った。当たり前だ。
俺はチーグルからソーサラーリングを奪い取ってライガクイーンに向かっていった。

「危ないわ、ルーク!魔物は倒すしかないのよ!」
「うるせぇ。そいつらを見てろ!」

クイーンとは知り合いだ。向こうも俺を見て気付いたようだ。俺はあいつらに聞こえないよう小声で話す。
「クイーン、久しぶりだな。アリエッタは元気か?・・・ここは人里に近すぎる。討伐隊が来ないうちに移動してくれ。お前たちの身が危険だ。此処からなら、キノコロードの奥が良い住処になると思う。」
「アッシュか、久しいな。我らの森を焼いたチーグルの贖罪の為に此処に居たが、移動するとしよう。人に我らの討伐を頼んだチーグルは、今後見つけ次第食い殺すと伝えておいてくれ。」
「ああ、解った。・・・アリエッタには、俺のこと内緒にしておいてくれと伝えてくれるか。」
「承知した。」
俺はマントでクイーンの卵を包むと、咥えさせてやった。クイーンは一声鳴くと、去っていった。
 

「あなた、ライガは人を好むのよ!此処で倒さなければ犠牲が出るわ!」
「クイーンは移動した。俺たちが受けたのは此処を出て行かせるための交渉だろう?行きたきゃ一人で討伐に行けよ。」
女は悔しそうに黙り込んだ。一人でライガを倒しに行けもしないくせに、大口たたくなよ。
俺達はチーグルの長の所に報告に戻った。
 
「クイーンは人にライガの討伐を依頼したチーグルを許さないそうだ。今後、見つけ次第食い殺すといっていたぞ。」
俺の言葉に、長老は項垂れた。
「そんな!何とかならないのでしょうか・・・」
イオンが青ざめるが、きっかけを作ったのはお前だぞ?
「此処のチーグルをダアトにでも連れて行ったらどうだ?人の家畜になるがな。・・・絶滅とどっちが良い?」

イオンもチーグルも項垂れている。ま、自業自得だな。
煩いチーグルが贖罪と称して付いてくるといった。俺はこんな煩い奴は嫌だ。
ソーサラーリングをぬいて自分の腕に嵌めると、チーグルは女に投げてやった。
女はうっとりとしている。チーグルは涙目だが、何されても文句ないよな。
 
 
 
チーグルの森を抜けたところでイヤミなマルクト軍人に捕まった。
ちっ、しまった。マントをクイーンにやっちまった。拘束され、タルタロスに連れ込まれる。
今までどこをほっつき歩いていたのか、導師守護役がやっとイオンに追いついて、あろうことか導師に文句を言っている。眼を離したのはお前だろう。それとも身代りはこんな扱いなのか?
 
「さて、お名前をお聞きしてよろしいでしょうか。」
わかってやがる癖に。
「ルーク・フォン・ファブレだ。」
「ちょっとルーク!そんな簡単に名乗るなんて!」
「いままで散々俺の名を連呼したのは誰だよ。ちょっと黙ってろ。」

「あなたに協力してほしい事があるのです。」
スルーか、この軍人。
「断る、と言ったら?」
「拘束させていただきます。」
俺をルーク・フォン・ファブレと知った上でこの扱いか・・・マルクトも碌な奴いねぇな。
亡命は止めるかな。見張りの兵士が蒼くなってるぜ。
 
 
「マルクトはキムラスカに戦争でも仕掛けるつもりか?」
「違いますよぉ~ルーク様ぁ、あたし達は和平に行くんですよぉ~」
守護役が媚びた声で話しかけて来た。不快だ。しかし和平?笑わせる・・・

「アニース。いけませんよー、極秘事項を話しては。・・・ルーク様、私たちは、和平の為にキムラスカへと向かっています。あなたに王への取次ぎを頼みたいのですよ。」
「断る。和平に向かう国の王族に礼も取れない奴を、王に取り次げるわけが無いだろう?」
胡散臭い笑みを浮かべた軍人は、いやみったらしく跪いて見せた。
わざわざ、そんな安っぽいプライドは持ち合わせておりません、と来た。こいつ馬鹿だな。
 
「それは礼ではないな。答えはNOだ。」
イヤミ眼鏡が笑みを消した。

「だいいち、何故俺が此処にいるか追求しないのは何故だ。俺はファブレ邸を襲撃した其処の女に誘拐されたんだよ。」
「ルーク!あれはそんなつもりじゃないって言っているでしょう!」
「オラクルの制服を着た女が、俺をマルクトに誘拐し、誘導した先に導師とマルクト軍人が居た。マルクト軍人はそれを不思議にも思わない。これではオラクルとマルクトが共謀してキムラスカに戦争を仕掛けると思わないほうがおかしいぜ?大体、皇帝の名代にしては、あんたは礼儀知らず過ぎる。和平の使者の態度じゃないんだよ。」

青ざめた導師がティアを見ている。眼鏡が命令を出した。
「衛兵、其処の女を捕らえなさい!」
ティアは猿轡を嵌められて、引き摺っていかれた。
 

「襲撃犯がオラクルの兵でヴァン謡将の妹だってことは、キムラスカも知っているはずだ。この状況で導師とマルクト軍人が俺を連れて行って和平が成立するのか、もう一度考え直した方が良いぜ?
・・・さて、断った俺は拘束されるんだったな、そこの兵士!部屋まで案内してもらおうか。」
「お待ち下さい、ルーク様。ご無礼をお許し下さい。しかしマルクトは、真実和平を望んでいるのです。力をお貸し下さい。」
席を立った俺に、眼鏡が跪いた。
「それを信じさせるかどうかは、名代の態度しだいだろうさ。」
 

俺は兵士に案内させて、部屋に休みに行った。兵士は青褪めて固くなっている。
「俺を軟禁するんじゃないのか?」
「いえ、とんでもない!機密のある場所以外はご自由になさってくださって結構です。」
「あれが上司じゃ、お前らも大変だな。なんか食べる物を持ってきてくれないか?朝から何も食べていないんだ。」
「はっ、すぐにお持ちいたします!気付きませんで、申し訳ありませんでした。」

部下はまともじゃねぇか。変なのはあいつだけか。
ゆっくり食事をし休んでから、せっかくだからタルタロスを見て回った。
導師守護役が媚びた声で案内を申し出るから断った。
「お前の役目は何だ。守護役なら導師の側をいかなることがあっても離れないものだろう?お前にとって導師とはそれだけの存在でしかないのか。そんな者が導師守護役を名乗るな。」
俺にとっては当たり前の事なのだが、こいつはそうじゃないようで、ショックを受けたように俯いてしまった。なんと導師に慰められている。何様だ、こいつ。
 
 
甲板を見ていたら、遠くに魔物の群れが見えた。急いで兵士に知らせる。サイレンが響き渡った。
フレスベルグとライガが降ってくる。同時にオラクル兵も見える。
導師を奪還せよ、だと?導師、黙って出てきたのか?これを操っているのはアリエッタか。
ソーサラーリングでライガに話しかける。ライガはびっくりした様にこっちを見た。

「おい、俺はアリエッタの知りあいだ。ライガクイーンのことで話があるから、アリエッタを呼んでくれ!」

遠吠えが響き、しばらくしてアリエッタがやって来た。
「アッシュ・・・!」
言葉も無く俺の顔を見つめている。死んだはずの奴がいきなり現れたら、驚くよなそりゃ。
「おれは今、ルークだ。ライガクイーンはキノコロードの奥に移って貰った。みんな無事だ、それより此処は引いてくれないか?」
「なんで、ママの事、知ってるですか。」
「今は話せない、後でな。導師は誘拐されたんじゃないぞ。和平の為に自分で出てきたんだ。ここでマルクト兵を殺したら、ダアトとマルクトで戦争だ。此処は引いてくれないか?」
「お友達は引かせることが出来るけど、これはモースの命令、です。それにイオン様が・・・」
「アリエッタ・・・あれはほんとにイオンか?」

眼を見張ったアリエッタに、早く行けと合図する。誰か来た様だ。アリエッタが居なくなると魔物達はいっせいに引いていった。
「ルーク様!ご無事で・・・!こちらにおいで下さい!」
さっきの兵士だった。ちっ、アリエッタの魔物を一匹借りて、とんずらしておくんだった。
魔物がいなくなったおかげで、何とか撃退できたようだ。眼鏡はアンチフォンスロットを食らっていた。使えねぇ奴だ。
 


眼鏡は兵士に守られて戦わない俺を、馬鹿にしたような目で見る。
お前、もう忘れたのか?俺が傷一つでも付けば、その場で戦争だぜ?
 
 
 
 

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自己紹介:
作品は全部書き上げてからUPするので、連載が終わると次の更新まで間が空きます。

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