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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.11.17,Sat

 
IF アッシュがローレライだったら
 

やさぐれアッシュと対の話・・・のはずなのですが。
ルークがローレライだとあんなにギャグなのに、アッシュがローレライだと何故こんなにシリアスになるのだろうか? 
 
 


ネタ
 
未来見では世界の滅亡が近づいているから、世界の行く末を見届ける為に人の身を取って生まれてきた。
閉じ込められるの分かってたから、あえて誘拐されて自由に世界を動けるようにした。
身代りにレプリカ作らせる。(面白そうだから)ヴァンは何も知らない。
ルークが力を少し受け継いで生まれたのを見て、いずれは何か手伝わせようかと思っていた。
人に愛着は無いので、ヴァンの目的は知ってるけどどうでもいい。
というか、滅亡を望むものと存続を望むものの争いの結果を見届けに来た。
全力で戦い未来を決めさせるために、双方に手を貸し、力を拮抗させている。
ルークへの仕打ちを見てどっちに贔屓するか決めようと思った。
 
アクゼリュス前後からの、人のルークに対する扱いは酷すぎて、思わず滅ぼそうかと思ったが、当のルークが人を救いたいと願っているので迷ってる。
アクゼリュス後の回線繋いでる時に、ルークに全て話してみた。
「お前にあんな仕打ちをし続ける人間どもなど、滅びてしまえばいいと思うがな」
「・・・でも俺は、人に滅びて欲しくない・・・」
「なら、俺の気を変えてみろ。人が救うに値するものだと、証明して見せろ」
「わかった。きっとアッシュの気を変えさせて見せる!」
ルーク、気合を入れるために断髪。仲間たちには何も知らせないのがアッシュとの約束。
 
アッシュはルークを通して、ルークの見たものをすべて見ている。
ルークが嘲笑されるのも、頑張って信頼を得ていったのも、周りの人間の態度も全て。
アブソーブゲートでヴァンが倒されるのも静観。しかし詰めが甘いなーと思って、地核に落ちたヴァンにこっそり力を分け与える。ヴァンは大譜歌の所為だと思ってる。
 
瘴気中和イベントでは、レプリカを犠牲にして助かろうとする人間達に結構本気でムカついた。
自ら死を選ぼうとするルークに思わず手を貸してしまった。
ルークの乖離は、周囲のものたちの反応を見たくてあえてそのままに。(本気出せば大爆発くらい止められる。ギリギリまで反応を見ようと思った)
薄々気付いているが、気付かないふりをしている『仲間達』を冷笑している。
 
 
 
「おれは世界の滅亡を望んでいるわけじゃない。・・・ただ世界の総意を見ているだけだ」

 

 
 
SS
 

 

 
                          『 Das Gericht 』
 
 


 
­『おれは世界の滅亡を望んでいるわけじゃない。・・・ただ世界の総意を見ているだけだ。』
 
 
 
 
不意に繋がりが絶たれ、ルークは自由に動けるようになった事を知った。
ベッドに寝転がり、今まで有った事を思い返す。動くようになった手で顔を覆い、涙を堪えた。
 
 
ルークは今まで、何も知らずに生きてきた。屋敷から出られない自分にとって、それは仕方の無い事だと思っていた。
自分の生まれた意味など、考えた事もなかった。
襲撃によってタタル渓谷に飛ばされ、バチカルに帰り着き、親善大使としてアクゼリュスに送り込まれるまで。
 
ヴァンによって操られた自分は、数千人の人間と共にアクゼリュスを落としてしまった。
混乱と疲労の極みにあったルークの意識を拾い上げ、共に行動させたのは、アッシュだった。
 
 
六神将のアッシュ。・・・自分のオリジナル。・・・・・・そして彼は・・・
 
ルークはアッシュが回線を通して言った事を思い返した。
 
 
(・・・どうだ、レプリカ。人の世は存続に値するものだと思うか?)
(何だよ、それ!)
(俺は、ローレライ。世界の行く末を見定める者。そしてお前も・・・)
(・・・?)
(世界の滅亡は、もう間近だ。だから俺は人の身を纏って生まれてきた。滅亡か存続か、世界が選び取るのを見定める為に。・・・ヴァンに誘拐されたのはわざとだ。奴がやろうとしていることは面白そうだったからな。ちょっとは評価してやっても良い。お前という俺の半身を生み出してくれたのだから)
(何でアッシュは世界を滅ぼそうとしている師匠の味方をするんだよ!)
(勘違いするな。俺はどっちの味方もしない。・・・世界は自ら選び取らなくてはならない。全力で戦って、滅亡か存続か決めるのは、世界そのものだ。俺はお膳立てをしているだけさ)
 
(なあ、ルーク。生贄に捧げられた哀れな俺の半身。・・・お前は滅亡を望むか? 世界の存続を望むか?)
 
(・・・俺は・・・世界の存続を望む! 嫌な事もいっぱい有ったけど、優しい人だって沢山居た。それに俺は・・・もう人に死んで欲しくないよ)
 
 
回線を通して、アッシュが苦笑しているのが解る。なんてお人好しだと呆れているのも。
アッシュはそっと囁いた。
 
「お前にあんな仕打ちをし続ける人間どもなど、滅びてしまえばいいと思うがな」
「・・・でも俺は、人に滅びて欲しくない・・・」
「なら、俺の気を変えてみろ。人が救うに値するものだと、証明して見せろ」
「わかった。きっとアッシュの気を変えさせて見せる!」
 
 
ルークは身体を起こすと、部屋を出た。ティアの立つセレニアの中で、髪を切って己に誓う。
(俺は、アッシュに証明してみせる。人が存続に値するものだと!)
 
 
 
アッシュが世界の行く末を見定める存在だということは、誰にも話してはならないというのがアッシュとの約束だった。自分がその半身だという事も。
ただ、ルークは『ルーク・フォン・ファブレ』のレプリカとして、懸命に努力した。
 
同行者に冷たく責められるのも、世間知らずを嘲笑されるのも、大勢の人を死なせてしまった自分の贖罪だと思い受け入れた。
もう人を死なせたくないと言いながら、向かってくる人間を剣にかける自分に吐き気を催し、魘されて眠れなくても弱音は吐かなかった。
ダアトから導師達を救い出し、セントビナーを崩落から救い、戦争を止める為に走った。
 
 
初めは見下し嘲笑していた同行者達が、ルークを見直し、絆されて行くのを、アッシュはただじっと見ていた。時折ふらりと姿を現しては、助言(の様なもの)を残して去っていった。
ちらりとルークを見るその目が言っている。
(ルーク・・・まだ人は救うべきものか?そいつらはお前をいいように使っているだけじゃないのか?)
(キムラスカ王は、育てた娘より預言を取ったぜ?ファブレ公もな)
 
(そんな事無い!アッシュ、人は変わるって俺は信じてる!俺だってアッシュに会って変わったんだから!)
(くっくく・・・まあ、頑張れよ)
 
 
 
アブソーブゲートでヴァンと決戦になった。
懸命に戦うルークたちの底力はヴァンを圧倒し、ヴァンは倒れた。
それを回線を繋いだアッシュは静かに見ていた。
よろめいたヴァンが後ずさっていく。それをルーク達は見守るだけで止めようとも止めを刺そうともしない。
 
(まだまだだな、ルーク。詰めが甘すぎるぞ)
ヴァンは地核へと落ちていった。瀕死のヴァンが大譜歌を謡う。
アッシュは哂いながら、ヴァンに少し力を貸してやった。
(こんなもので終わられては困る。世界はその存続をかけて、力の限り争わなくてはならないのだ。そうして、世界の総意が統一される)
 
アッシュは大地の降下にも力を貸してやった。
世界の存続を望んで懸命に努力する己の半身がいとおしい。望みを叶えてやりたいとも思う。
しかしまた、己と半身を利用するだけの人間達には嫌悪しかいだけなかった。
 
 
 
(世界よ・・・ わが半身の望みに値すると、早く証明して見せろ)
 
 
 
ひと月は平穏な日々が続いた。
ルークは世界を救う為にあれだけ尽力していながら、レプリカであるというだけで遠巻きにされ、孤独な日々を送っていた。
 
そして、世界が動き出す。
 
 
突然、世界は噴出してきた瘴気で満ちた。
町にはヴァンが造ったレプリカが溢れた。
人々はまだ、預言を求めている。
ダアトで第七譜石が発見され、それを詠まされたイオンが乖離してしまった。
イオンは最後に、瘴気を中和する方法をルークに残した。
 
 
ダアトに集った各国の重鎮の前で、アッシュは瘴気中和の方法を提示した。
ジェイドはレプリカであるルークがその任に付けと暗に示す。
 
 
ルークには解っていた。不機嫌そうに顰められた表情の奥で、アッシュの目が嘲笑っている事を。
何度も何度も世界の生贄にされ続けた『聖なる焔の光』を見て、人間に絶望を感じはじめている事を。
 
 
「俺がやります」
(アッシュ・・・俺はどうなっても良い。世界を、人を信じてあげて)
真っ直ぐに己の目を見据えて来るルークに、アッシュは僅かに目を伏せ、踵を返した。
(・・・それなら、お前の覚悟を見せてみろ)
 
 
 
泣きそうな顔で、死にたくないと叫ぶその心で、けれど一歩も引かずルークはローレライの剣を振りかざした。
殺す事をあんなに厭うた子供が、1万のレプリカを殺してまで世界の存続を望んでいる。
 
 
(お前らは、こいつの献身を当然と思うのか? こいつはあんなに殺す事を怖がっていたのに。
人が生んだレプリカは、人の為に消費されて当然と考えるのか? 人間よ・・・答えろ!)
 
 
気が付いた時、アッシュはルークと共に剣を握りしめ、力を貸していた。
光が溢れ、世界が青空を取り戻してゆく。
 
(ルーク・・・お前の覚悟はわかった。しかし俺は、お前だけに全てを押し付け、お前を生贄に捧げ続けた人間を許す事が出来ない・・・力を使いすぎたお前は、あと少しで乖離してしまうだろう)
(・・・力を貸してくれてありがとう・・・アッシュ、最後まで人にチャンスを・・・)
(解っている。ルーク・・・少し休め)
 
 
ルークの手が、一瞬透けるのがわかった。ジェイドの目が、それを目ざとく見ていたのも。
ベルケンドで検査を受けたルークは、ジェイドに口止めをした。
ミュウにそれを教えられたティアも、ルークの懇願に何も話さない事を約束した。
 
 
しかし、ルークの不調は少しづつ強くなっていった。
いつもルークと一緒に居るメンバーが、それを解らないはずがないのだ。
知っている者も、薄々気付いている者も、誰も何も言わない。
 
アッシュは人間達がルークを救う手立てを自ら考えるのを待っていた。
アッシュの力なら、本気を出せば乖離を止める事くらい訳はない。
ただ、ルークが仲間と信じる者たちが、ルークを救う為に何をするのかを見ていたのだ。
 
 
結果、人は、己の半身を救う手立てを、何一つ示そうとはしなかった。
ただ、知らないふりをし続けた。
アッシュは深い絶望と共にそれを見ていた。
 
 
 
 
エルドラントでシンクを倒し、ヴァンの待つ所に向かおうとする一行の前に、アッシュが現れた。
静かにルークに手を差し伸べる。
「もう良い、ルーク。お前の身体は限界だ。このままでは数刻を待たずして乖離してしまうだろう。こちらへ来い」
「何だと!それはどう言う事だ、アッシュ!」
ルークを庇うようにガイが前に出る。
アッシュは嘲笑を返した。
 
 
「まだ、知らないふりをするのか? 何故、乖離しつつあるこいつを戦わせ続けた。力を使えば乖離が進行するのくらい、わかりきっていただろうが。お前らは見て見ぬふりをして、こいつを利用していただけだろう?」
 
 
「アッシュ! 俺が口止めしたんだ。ガイたちは何も知らないんだ!」
ルークが必死で仲間を庇う。しかしルークを通して全てを見ていたアッシュにはわかっていた。
時々透けるルークの手を、驚愕と共に見ていた『仲間』が居た事を。
「ガイ、いつもルークと一緒に居たお前が、気付かないはずはないんだ」
ガイは言葉を失い、立ち竦んだ。
 
 
 
「ここから先は、お前達だけで行け。世界の総意を見せてみろ」
 
 
「何を言っているんです、アッシュ。ルークが行けないなら、貴方が来てください」
ジェイドの言葉に、アッシュは肩を竦める。
 
「俺はローレライ。世界の行く末を見極める者。・・・ルークもな。
あれだけ世界の存続の為に力を尽くしたルークに、お前らは何をした? ただ利用し、死ぬのを黙認していただけだ。
ここからは世界の存続を望む人間と、世界の滅亡を望む人間の争いだ。人ならぬ者の俺たちが口出しする事じゃない。ルーク、世界の選択を邪魔してはならない」
 
 
項垂れたルークがゆっくりとアッシュの元へ歩み寄って行った。
アッシュの言葉に瞠目したジェイドが、アッシュに詰め寄る。
「どう言う事です! 答えなさい、アッシュ」
 
 
「どう言う事もこう言う事もないさ・・・俺はローレライだと言っただろう? 世界が滅亡の危機を迎える度、俺は人の身を纏って生まれてくる。そして世界の総意を確認する。
滅亡か存続か、世界は自ら戦い、選び取らなければならない」
 
「お前は、世界の滅亡を望んでいるのか!」
 
ふわりとルークの手を取って自らに引き寄せたアッシュは、満足げに微笑むと言葉を返した。
 
 
 
「おれは世界の滅亡を望んでいるわけじゃない。・・・ただ世界の総意を見ているだけだ」
 
 
 
抱き寄せたルークにふっと微笑みかけると、アッシュは言葉を紡いだ。
「お前はよくやった。ルーク、お前に免じてヴァンとこいつらの力を五分五分にしてやろう」
 
 
ルークはくしゃりと顔を歪めると、アッシュの胸に顔をうずめた。安堵の啜り泣きがもれる。
これがアッシュの最大の譲歩だと、ルークには解っていた。
あれほど嫌悪していた人間に、生き残るチャンスを与えてくれたのだ。
 
「・・・ありがとう、アッシュ」
 
 
アッシュはちらりと一行を振り返る。
「悪くない賭けだろう? お前らが全員死んでも、ヴァンを倒しさえすればお前らの勝ちだ。世界は存続する」
 
 
ルークを抱きしめるアッシュの身体が、光に包まれてゆく。
 
 
「・・・今度はお前達が命をかけろ」
 
 
膨れ上がった光に、一行は目を覆った。
そして次に目を開けた時、そこには誰も居なかった。
 
 
・・・・・・決戦の場は、すぐそこだった。
 
 
 
 
 
 
エルドラントからは、誰一人帰還しなかった。
ヴァンも、英雄と呼ばれる者達も。
『英雄』たちは刺し違えてヴァンを討ち果たした。
 
 
英雄達は世界の存続を勝ち取った。
 
しかし・・・
 
 
 
 
数十年後、残ったエネルギーを争い、戦争が起きた。
戦争は長く続いた。
食料を求めて人々は更に殺しあった。
屍は放置され、疫病が発生した。
疫病は広がり、次々と村を壊滅させていった。
 
 
 
 
・・・そして、オールドラントは滅亡した。
 
 
 
世界の総意は統一された。
 
人間は、自ら滅亡を選び取ったのだ。
 
 
 

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自己紹介:
作品は全部書き上げてからUPするので、連載が終わると次の更新まで間が空きます。

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