閑話 夢のはなし2 10話と11話の間くらいです
身体じゅう痛い検査を我慢しても、一生懸命勉強しても、父上は俺を見てくれない、なぜ?
もっと頑張ればいいの? たみのために、くにをささえるものとして。
(これは人の形をした第七音素の塊。人間じゃない。もっと調べてみよう。この化け物を兵器として使えないか?)
おれはひとなのに。いたい、くるしい。やめて、もういやだ!
いかないで、ちちうえ。 ・・・・・・ヴァンせんせい?
まっくらで何も見えない。のどがからからだけど、からだがうごかない。
いたい、たすけて。
せんせい、たすけて。おれをかえして。
せんせいがのませてくれたみずは、あまくてにがい。せんせいのかおが、ぐるぐるまわる。
(お前はもう帰れない。あそこにお前の場所はもう無い。お前は今日からアッシュだ)
おれはルークだ。ナタリアがはなかんむりのおうかんをのせてくれたルークだ。
(見なさい、誰も気付かない。お前でなくとも良いのだ)
ははうえもガイもわらっている。ちちうえが『ルーク』をみている。
ナタリアが『ルーク』にはなかんむりをのせてわらった。
それはおれのものなのに! そこはおれのばしょだったのに!
ヴァンが連れてきた『アッシュ』は兵士達に妬まれた。
侮蔑と嘲笑。陰湿な暴力。
集団で暴行され、レイプされた。
腹を蹴られ、吐物の中に倒れこむ。
おれが弱いからこんな目にあうのか? ・・・なら強くなってやる。
誰にも『俺』を汚させはしない。誰にも負けないよう、強くなってやる!
黒い服がぐちゃりと身体に纏わりつく。
自分の物とも他人の物ともつかない血液が、服の裾から滴ってゆく。
周りはみんな敵だ、殺してやる。
ぬるぬるする剣を握り直し、飛び掛ってきた奴の胸に突き刺す。
返す刃で後ろの敵の首を刎ね飛ばす。
この髪は血の色だ。俺に似合いの色だ。
・・・鮮血のアッシュに。
うわああーんとガキみたいな泣き声が聞こえて眼が覚める。
綺麗な焔色が、俺の胸に抱きついて泣いている。
胸の辺りが暖かく湿ってゆく。
あっしゅ、あっしゅと舌足らずに何度も呼ばれる。
お前に呼ばれるのは、嫌じゃない。何で泣いてる。今の夢が流れちまったか?
あれはただの夢だろう?
お前は暖かいな。 ・・・俺はもう、一人じゃなくて良いのか。
一人じゃないのか。
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