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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.30,Tue
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Posted by tafuto - 2007.10.11,Thu

 


翌日、ジェイドが解読した歴史書によると、地表の液状化の原因はセルパーティクルによる地核の振動であることが分かった。
液状化を止めないと、外殻大地を降下させる事が出来ない。

シェリダンに同行する事を拒む技術者達に、アッシュが一喝した
「てめぇら、世界の存続よりプライドが大事か!」
大人しくなった技術者達は、シェリダンの技術者と共同で、地核の振動を止める装置と振動周波数測定器を作り上げた。

その間に、ルークとシリウスはアスランを連れてピオニー陛下にタルタロスの使用許可を取りに行き、アッシュはダアト式封咒を開ける為に導師イオンを迎えにいった。
アルビオールの2号機が完成し、傷の癒えたギンジがアッシュを乗せたがったのだ。
ダアトでアルビオールを奪われそうになったが、ギンジが機転を利かせて空に逃れていたため、大事には至らなかった。
 


振動周波数を測定する為、タタル渓谷にあるというパッセージリングに行こうとしたとき、メンバー割りに揉めに揉めた。
グランコクマから帰ってきたルークたちと鉢合わせして、早速ルークを罵倒するナタリア達にアスランがキレた。
アニスはイオンから絶対離れないし、ユリア式封咒の事を聞いたティアは自分が行くと息巻いて瘴気汚染の事など聞こえていない。
ナタリアはアッシュと居られれば良い様だし、ガイはルークに固執するがシリウスが近寄らせない。ジェイドは何処吹く風とばかりに傍観している。
アッシュはシュレーの丘のメンバーにイオンを連れて行きたいと思ったが、猛反発に会い口を挟めなかった。

 
「ああもう! 煩せぇ黙れ!!」

アッシュがキレた。それはもうぶっつりと。
「メンバーはジェイドとイオン、アニス、ティアそれに俺だ! ナタリアとガイは好きにしろ! ティア、自分で言ったんだから、後でぐだぐだ文句言うんじゃねぇぞ!」
「アッシュ・・・」
塩垂れるルークに回線を繋ぐ。

(別にお前を信用してないわけじゃねぇ。 ・・・お前がこの連中と行動するのは無理だ。精神が崩壊するぞ。くそっ思い出したらむかついてきた)
「お前はシリウスたちと外殻大地降下作戦の詳細を伝えてきてくれ。マルクトとケセドニア、ユリアシティだけで良い。ダアトとキムラスカは少し様子を見よう」
「わかった」

素直なルークに驚きながらも、ガイが口を挟む。
「じゃあ俺はルークと一緒に・・・」
「御断りします」
「なぜだ!」
自分を睨みつけるガイに、シリウスは冷笑して答える。
「あなたをルーク様に近づけたくないからです。ガイラルディア・ガラン・ガルディオス殿。自分の臣下であるヴァンデスデルカを押さえる事ぐらいして下さったらいかがですか?」
哀しそうなルークがそっとシリウスの袖を引く。
「ち・・・違うんだルーク! 俺は、お前を親友だと・・・」
何も言わず、ルーク達は去っていった。ガイはその場に立ち竦んだ。
 


結局ナタリアとガイも加えた7人でタタル渓谷に向かう。
無事に仕事を済ませたアッシュ一行は、ダアト式封咒のあった場所まで戻ってきた。
具合の悪そうなティアにナタリアが声をかけようとしたとき、突然ユニセロスが襲ってきた。
何とか撃退すると、ユニセロスは正気を取り戻し、ティアに向かって言葉を発したあと姿を消した。
「その者から悪しき気配がしている。その瘴気により我は狂ったのだ・・・」

「な・・・なんで私が!」
憤慨するティアにアッシュが語りかける。
「ユリア式封咒を解く時に、瘴気を身体に取り入れちまうって、シェリダンであんなに言ったのに聞いてなかったのか? だからシリウスがやるって言っただろ。身体のフォンスロットを調整すれば瘴気は少しずつ体外に排出されるそうだから、お前もさっさとそうするんだな」
「そんな事出来るわけ無いでしょ! 大体何であの人がユリア式封咒を解けるのよ。ユリアの子孫は私と兄さんだけよ!」

アッシュは呆れたように続ける。
「出来ないのに何で自分がやるなんていったんだ。死ぬ気か? 俺は別にかまわねぇけどな。
大体お前の先祖は2000年間ずっと子供を一人しか生まなかったのか。先祖の兄弟なんて沢山居るだろ? シリウスの祖母はユリアシティの出身だ」
「何ですって! あの人何でそんな大事な事黙ってたのかしら。本当に失礼な人ね!」

「お前にとって大事でも、あいつにとってはそうでなかっただけだ。それともユリアの直系に媚び諂えとでも言う気か? たいした傲慢だな」
アッシュは吐き捨てるように呟いた。
 


イオンを連れてトリトハイム師にこっそり会いに行き、降下作戦の詳細を伝える。
トリトハイム師は、ヴァンに賛同する者以外の協力を約束してくれた。

シェリダンに戻るとルークの提案で、和平を締結させて両国の協力を取り付けようという事になった。後はキムラスカだけなので、すぐにでも向かおうという一行に、ナタリアが口篭りながら静止をかけた。

「少し考える時間が欲しいのです・・・」
「ナタリア・・・少し付き合え」
ナタリアをじっと見ていたアッシュは、声をかけ展望台に誘った。
嬉しそうなナタリアとは逆に、アッシュは無表情に話を始めた。

「ナタリア、お前は来なくて良い」
「何を言いますのルーク、心配なさらないで。お父様の事でしたら、きっと乗り越えて見せますわ。約束をしてくれたあなたが居てくれるのですもの!」
「俺はアッシュだと何度言えば分かる。お前を心配して言っている訳ではない。民が大勢死ぬかもしれない時に、お前はいつまで自分の事ばかり言っている。
バチカルで偽姫といわれ傷ついたたお前が、なぜルークを偽者と罵れるんだ。
お前は変わってしまったな、ナタリア。俺が約束したナタリアは民の幸せを一番に考えていたのに。・・・最も、お前が約束した『ルーク』も、もう居ないがな」

その場から去ってゆくアッシュを、声も出せずに呆然とナタリアは見送った。
 


無表情に戻ってきたアッシュを心配して、ルークが近寄ってくる。
それに疲れたように笑い掛けるとアッシュは話しはじめた。
「ルゥ、お前はシリウス達とグランコクマに行ってろ」
「ええっ、また一緒に行けないのかよ!」
「(俺だってお前やシリウスと行きてぇよ)・・・アルビオールがせっかく2台あるんだ。回線で連絡できる俺とお前が一緒にいるより、和平が決まった時点で速やかに移動できるようにしておいたほうがいいだろう。聞き分けろ」
「うーわかった。でも本当に無理すんなよ! アッシュ」
「モースさえ何とかなりゃ、叔父上は頷いてくれそうだった。多分何とかなるだろ」
溜息をつくアッシュに、笑いながらシリウスがさらっと言う。
「あの糸目狸野郎、目障りだ。アッシュ、暗殺でも依頼しないかい?」
「・・・・・・いや、さすがにそれは・・・」
 
 

翌日、アッシュ、導師イオン、アニス、アスランがキムラスカに向かう事になった。
ルーク達と同行する事を拒んだティアと、消沈していた所をティアやアニスに引っ張ってこられたナタリアも同行することになった。(アッシュはティアやアニスに散々詰られた)
ジェイドとガイはキムラスカに含みが多すぎるので、マルクト行きに同行する事にした。

アッシュとシリウスはちらりと目と目を見交わし、同時に溜息をついた。
(お互い大変だな。頑張ろうぜ)
二手に分かれたアルビオールは、それぞれの場所に旅立っていった。
 

バチカルに着いたアッシュは、一行を目立たない所に案内すると、一人でファブレ公爵の屋敷に向かった。公爵への取次ぎを頼むと、アッシュの顔に息を呑んだ門番が慌てて駆け出していった。
しばらくすると公爵の執務室に通される。そこには父であるクリムゾンが居た。

「元六神将の鮮血のアッシュ殿か。私に何用だ」
「前回、開戦に反対したと聞き及んでおります。私は和平を進言する為に、キムラスカを訪れました。導師イオンも同行しております。なにとぞ、陛下への取次ぎを御願い致したく参上しました」
跪き礼をとるアッシュの赤い髪をじっと見ていたクリムゾンは、しばらくの後承諾の意を伝える。

退出しようとしたアッシュに、クリムゾンが独り言のように話しかけた。
「私には二人の息子が居てな。上の子は随分と辛い目にあわせてしまった。私を恨んでいると思うかね?」
「・・・・・・私には解りかねますが、きっと父親は公爵様お一人だと思っている事でしょう」
 

一行と合流し、クリムゾンの先導でインゴベルト国王の私室に通された。
預言が外れた事とヴァンの企み、世界の現状を話し、和平の必要性を説く。
しばらく考え込んでいたインゴベルトは、しばらくして頷いた。
「わかった。預言などに任せていたら、世界は滅びてしまうだろう。 ・・・和平を行おう」
「ありがとうございます。陛下」
「良かった、お父様!」
感極まったようにナタリアが声を上げる。
それをじっと見やると、インゴベルトはナタリアに話しかけた。

「ナタリアよ、お前がわしの血を引いていない事は事実だった。しかし今まで親子として暮らしてきた事もまた真実だ。お前はわしの娘だ。忘れるでないぞ」
「お父様!」
涙ぐむナタリアに、インゴベルトは辛そうに続ける。
「娘だからこそ、言わねばならない事もある。・・・お前は王命に背き出奔した。その罪は問わねばならない。ナタリアよ、王位継承権の剥奪を命ずる。これからは一臣下として国を支えよ。しばらくの間その者達と同行し、自分を見つめなおすがいい」

ナタリアは言葉を失った。
不満気に声を発しようとするティアとアニスを睨みつけて黙らせると、アッシュは和平条約締結に向けてグランコクマのルークと連絡を取り始めた。
話し合いの結果、ユリアシティで会談がもたれる事となった。
 
 

「アッシュ!!」
国王やファブレ公爵と共にユリアシティに降り立ったアッシュは、先に来ていたルークの迎えを受けた。飛び付いて来たルークの頭を苦笑して一発殴ると振り返った。
「しゃんとしろ『ルーク』。国王陛下がいらっしゃるのだぞ」
「あ、すみません陛下。ありがとうございました!」
あわあわするルークにインゴベルトは苦笑を返す。
「礼を言うのはこちらの方だ。ルークよ、お前を預言の贄に差し出したわしを許してくれるか」
「そ・・・そんな!」
パニックになるルークを、シリウスがそっと落ち着かせる。
そこにクリムゾンが進み出た。
「シリウスよ・・・良くぞ我が息子達を守り支えてくれた。礼を言う。ルーク・・・立派になったな」
「父上・・・」
泣き笑いの表情を浮かべたルークの背中を一つ叩くと、アッシュは一同に向き直った。
「ご案内いたします」
 


ケセドニアのアスターも含めて、和平条約が締結される事になった。
調印しようとしたその時、ガイがファブレ公爵に刃を突きつけた。
「ホドの時とまた同じようになるんじゃないのか?」
一瞬固まっていた人々の中からすばやく飛び出した影が、ガイの刀を奪い床に叩きつけた。
咳き込むガイを見ながらクリムゾンは言葉をかける。

「約束しよう。ガイラルディア殿」
「な・・・知っていたのか!」
「ユージェニーとは知己なのでな。お前もペールギュントの顔も知っていた」
「何故だ! 俺の家族を皆殺しにし、ホドを崩落させたくせに!」
床を拳で叩きつけるガイを抑えながらシリウスは言った。
「公爵は、ガルディオス家の襲撃を命じてないよ。あれは前の戦いでガルディオス伯に家族を殺された下級貴族が、個人的な恨みで先走ったんだ」

「ガイラルディア、ホドが崩落したのは、フォミクリー技術の流出を恐れた先のマルクト皇帝が、超振動でデータを消そうとしたからだ。音機関に繋がれて超振動を引き起こされたのが当時11歳のヴァンデスデルカ・・・ヴァンだ」
続けられたピオニーの言葉にガイは絶句し、動きを止めた。
「そんな・・・俺は、何の為に・・・」
呆然と呟くガイは兵士に連れて行かれた。
 

「済まなかった、インゴベルト国王、ファブレ公。けしてマルクトに他意はないのだが、このまま調印してもよろしいだろうか」
「私はかまいません、ピオニー陛下」「うむ」
インゴベルトとクリムゾンも賛同し、和平条約がここに締結された。

いよいよ外殻大地降下作戦が決行に向けて動き出した。
 


 

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