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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.12,Fri

 

 
ラジエイトゲートとアブソーブゲートはセルパーティクルの起点と終点に当たり、起点を操作したらすぐ終点を操作するのが望ましかった。ゆえにアッシュとルークは別行動する必要がある。
問題は戦力だった。アッシュとシリウスは頭を悩ませる。

「多分、アブソーブゲートにヴァンの野郎は居ると思う。そこで最終決戦になるはずだ」
「そうだな・・・ヴァンが居るなら、俺が行きたい所なんだけど。アクゼリュスの礼もしたいしね」
「それはそうだが、ルゥにまだ暗示が残ってないとも限らない・・・お前にはルゥを守って欲しい」
「うん、それはもちろん。しかしそっちの戦力が・・・」
 

「兄さんは、私が止めるわ!」
ティアが思いつめたように口を挟んだ。シリウスはじっとティアを見詰める。
「実の兄を殺せるかい? 彼はもう、止まらないよ」
「殺せるわ!」

しばらく考え込む一同に、シリウスが提案した。
「解った。じゃあ、俺とルゥ、それにアリエッタでラジエイトゲートに行こう。あそこは短いから何とかなるだろう。アリエッタをヴァンに会わせるのは可哀想だ。 ・・・アリエッタ、手伝ってくれるかい?」
「解りました、です」
「あとは人海戦術だ、これだけ居れば何とかなるだろう。一つ言っておくけど、必ずヴァンに止めを刺してくれ」
「解っている」
アッシュが頷いた。
 
 

外殻大地降下作戦は、大詰めに差しかかっていた。
アブソーブゲートは長大なダンジョンを誇る。しかし一行は、確実に最深部へと距離を詰めていった。
そしてパッセージリングが姿を現したその場所に、ヴァンは居た。

「やはりお前が来たか、アッシュ。今一度言う、私と来い」
「断る! てめぇのやり方には、ついていけねぇ!」
「メシュティアリカ、預言などに頼った人類には、未来など無いと何故わからん」
「兄さんもう止めて!」
「ヴァン! ここでてめぇを倒す!」

 

死闘は激しかった。ヴァンは強大な力を持ち、皆を圧倒した。
「ちっ、腐っても主席総長だね!」
シンクが切られた頬を拭いながら吐き捨てる。

「前衛!波状攻撃をかけろ! ヴァンに奥義を使わせるな!」
アッシュの指示にアスラン、ジョゼット、ガイがヴァンを囲み、ナタリアが弓を射る。剣戟の中、シンクが飛び込みアカシック・トーメントが炸裂した。間をおかずジェイドのミスティック・ケージがヴァンを捉える。堪らずよろめいたヴァンにアッシュが絞牙鳴衝斬を放った。
 

「う・・・ぐっ・・・ここまでか・・・・」
瀕死のヴァンがふらつきながら一歩、二歩とパッセージリングの端に近づいてゆく。
アッシュが止めを刺そうと飛び出したとき、ティアがアッシュの腕を掴んで引き止めた。
「待って! 兄さんにもう戦う力は残っていないわ!」
「は・・・放せ!」
シンクやアスランがヴァンに向かおうとしたその時、ヴァンは地核に落ちていった。
 

「何故止めた! 止めを刺せと言われていただろう!」
座り込んだティアにアッシュは怒鳴りつけた。
「もう勝負はついていたじゃない!それに地核に落ちて生きているはず無いわ・・・」
「アッシュ、ティアの気持ちもわかってやれよ」
「そうですわ、言いすぎです。ヴァン謡将は地核に落ちて死んだのですから、よろしいではありませんの」

泣き出したティアを、ガイやナタリアが口々に慰める。
アスランやシンクたち、正規の軍人は、その言葉に眉を顰めた。敵の生死の確認は最も初歩的なことだったからだ。

「ちっ、しょうがねぇ。今は大地を降下させることが先だ。ティア、ユリア式封咒を解け」
「アッシュ、女の子を少しは労わったらどうだい」
「ガイは黙ってろ!時間がねぇんだよ」
アッシュはラジエイトゲートに到達していたルークに連絡を入れた。
(アッシュ! こっちは書き換えがすんでる。そっちは大丈夫だった?)
(ヴァンは倒したが、止めをさす前に地核に落ちやがった。あのクソ女・・・!)
(そうか・・・ヴァン師匠・・・)
(今は大地の降下だ。同調させろ。・・・行くぞ!)


大地の両極で、アッシュとルークの両手から光が迸った。
各地のパッセージリングは同調しながら支えあい、ゆっくりと降下していった。
 


「や・・・やったのか・・・」
振動が止み、アッシュとルークが同時に倒れこんだ。
あわてて回りの者が、抱え起こす。
(アッシュ! やったな!)
(ああ、終わったな。・・・お前はバチカルに戻って陛下に報告しろ。こっちはグランコクマに寄ってからそっちに向かう)
(わかった。早く会いたいな)
(・・・・・・・・・切るぞ)
「・・・燃え滓。なんか顔赤いんだけど。脳内ラブコールもいい加減にしてよね」
「う・・・うるせぇ!」
 

帰ろうと身を返した瞬間、強い頭痛がアッシュを襲った。
(我は・・・レライ・・・栄光を・・か・者が・・・我を・・・・しようと・・・ている・・・・・・焔よ・・・ライの宝珠と・・・を送る。我を開放し・・・くれ)
「くっ・・・これは、ローレライか・・・?」
膝を突いたアッシュの手に光が集まり、一本の剣が残された。

同じ頃、頭痛に座り込んだルークの手が光り、光はルークの身体に吸い込まれていった。
 
 

 
心配したクリフォトの瘴気も、うまくディバイングラインが大地の下に押し込め、オールドラントは平和を取り戻した。
戦いを共にした者達は、それぞれの国へと戻っていった。
アリエッタとシンクは裁かれる為にダアトに護送されたが、ヴァンに離反した事と降下作戦に協力した功績でたいした罪にはならないだろうという事だった。


両国に報告を済ませた二人はファブレ邸に戻っていた。もちろんシリウスも共にいる。
アッシュはためらったが、ルークに引っ張っていかれたのだ。
ファブレ邸の応接室で3人は話している。

「あの声、お前にも聞こえたか?」
「余り良く聞き取れなかった。なんか送るから、開放してくれって言ってた?」
「あの声はローレライだと思うんだが、あの声と共に、この剣が現れた。お前もなんか受け取ったか?」
「何か光ったんだけど、何も持ってなかった」
「ルゥの中に光が吸い込まれたように見えたよ。もしかしてコンタミネーションが起きてしまったかな?」
「コンタミ・・・ってジェイドの槍? ・・・・・・また俺、失敗しちゃったのかなぁ」

落ち込むルークをシリウスは苦笑して慰めた。
「まあ、失くしたわけじゃないし。受け取りすぎただけだろう? あとで見てみよう」
「ローレライが何かあって開放しろといってる、って事か。栄光の何とかってのは何なんだろうな」
「うーん・・・ヴァンデスデルカは『栄光をつかむ者』って意味だけどね・・・そういえば、ヴァンには止めを刺したかい?」
「・・・・・・すまん。ティアに邪魔されて、地核に落ちてしまった。瀕死だったんだが、止めは刺してない」

並んで落ち込んでいる赤毛たちに、シリウスは苦笑した。
「まあ、なんにせよお疲れ様。良かったよ無事で。ここで落ち込んでも仕方ない。少し事態が動かないと何も解らないし、気を抜かないようにしようよ」
「そうだな」
「うん」

 

そこにファブレ夫妻が入ってきた。
立ち上がって両親を迎える二人に、シュザンヌが近寄ってくる。
その頬には涙の筋が見えた。

「ルーク・・・! 良くぞ無事に帰ってきてくれました。そしてルーク、あなたは7年前に居なくなったルークなのですね。ひどい親だと思った事でしょう。許してちょうだい・・・」

二人を抱きしめて泣き崩れるシュザンヌにアッシュはそっと言葉をかけた。
「母上、私の母は母上だけです。 ・・・しかし私はもうルークではありません。アッシュと名乗っております。どうかアッシュとお呼び下さい」
「母上。父上も聞いてください。俺はアッシュから作られたレプリカです。アクゼリュスを落とした大罪人でもあります。俺はここから出て行ってもいいから、どうかアッシュを・・・!」
「なにいってやが「何を言うのです! 七年間共に過ごした、あなたも私達の大切な息子です。二人とも・・・よく戻ってきてくれました」

二人を抱きしめるシュザンヌに、黙って頷くクリムゾンの目は優しかった。
「父上、母上、それなら俺の事はルーシェルと呼んでくれませんか?」
「まあ、どうしてです」
「アッシュが付けてくれました。俺たちは、二人合わせて『ルーク』なんです! アッシュはルゥって呼んでくれます」

誇らしげなルークの笑顔にシュザンヌとクリムゾンは顔を見合わせたあと、微笑んだ。
「ルゥ、アッシュ、お帰りなさい」
「正式な事は後ほど決める事にしよう。 ・・・よく戻ったな、二人とも。ゆっくり休むがいい」


クリムゾンは、壁際に控えているシリウスに目をやると僅かに目礼した。そして登城するために部屋を後にした。

 


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