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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2008.05.06,Tue







※ここからは赤毛sideと同行者side、各国sideと場面転換が激しいです。読み難くてすみません。




                                         キャラクター死亡描写あり。苦手な方はご注意なさってくださいませ。
















瘴気に倒れた人を救助していたティアは、第七譜石の可能性があるかもしれないと言ってオラクル兵が自分を呼びに来た時、怪訝に思った。
確かに自分の任務はそれだが、この事は極秘のはず。それになぜこんなところにオラクル兵が居るのだろう。
警戒するティアをオラクル兵は拘束しようとして来た。
とっさに譜歌で眠らせると、ティアは坑道に駆け戻っていった。


「大佐、オラクル兵に不審な動きがあります! 私は拘束されそうになりました。イオン様はどこですか? ここは危険です!」
「ええっ! そう言えばイオン様がいないよ、またどっか行っちゃったぁ!」
あたりを見回すアニスの大声に、ガイやナタリアも集まって来た。
「オラクル兵に不審な動きがあるそうです。・・・まずは導師イオンとルークを探しましょう」
「お坊ちゃんは護衛に守られてるんじゃないの~」
「そうですわ! 救助の手伝いもしないで、王家の青い血が泣きますわ!」
暫く捜し歩いていると、奥まった所に人が倒れているのが見えた。
「こ・・・これは、先遣隊! みんな殺されている!」
慌てて奥へと急いだ一同は、突き当りの扉の前でルークの護衛騎士達が切り殺されているのを見て蒼褪めた。


扉を潜り奥へと進んだ一同は、信じられないものを見た。
部屋の中央に巨大な音機関がそびえ立ち、しかもそれがひび割れ崩れかけているのだ。
「パッセージ、リング、ですか・・・」
音機関に浮き出た文字を読むジェイドに、ティアが叫んだ。
「大佐、そんな場合じゃありません! ここは崩れかかっています。皆、集まって、譜歌を歌ってみる。それしか助かる方法は無いわ!」
「ええ~っ! イオン様は!」
「ヴァン謡将がさらったんじゃないのか?」
慌てつつもティアの周りに集まる一同の前で、亀裂は広がりあたりを飲み込んでいった。

 

崩れゆく大地の中を、譜歌に守られてティア達は紫色の空が覆う地に降り立った。
「こ、ここは・・・?」
「ここは魔界(クリフォト)よ。・・・兄さんは、外殻大地を崩落させると言っていたの。私はそれを止めようと・・・・・・まさかこんなことになるなんて」
ガイの問いにティアは俯いて答えた。
近くに落下していたタルタロスに乗って、一同はユリアシティを目指した。

 

「おお、アクゼリュスは無事崩落したようだな」
ティアの顔を見たテオドーロは笑みを浮かべた。
「おじい様、知ってたのですか! 何故?」
「アクゼリュスが崩落する事は預言に詠まれておる。キムラスカの武器である『聖なる焔の光』がアクゼリュスとともに消失し、それによって戦争が起きるとな」
「なんですって! 分かっていてなぜ止めないの、おじい様!」
縋り付くティアをテオドーロは怪訝そうに見た。
「ユリアの預言は絶対なのだ。ユリアの子孫であるお前が何故預言に逆らうのだ」


驚愕の冷めやらぬまま、一同は部屋を後にした。あまりの事に言葉も無い。やがてナタリアが呟いた。
「聖なる焔の光・・・ルークの事ですわ。それならアクゼリュスを落としたのはルークですの・・・?」
「護衛が部屋の前で切り殺されていた・・・それならルークはあそこにいたことになる。・・・でも、もう生きてはいないだろうな・・・・・・」
ナタリアとガイの言葉にアニスが叫んだ。
「ええ~! 最低! あんなやつ、死んじゃえばいいんだ! ・・・イオン様だってあいつのせいで・・・・・・」
「大丈夫よアニス。兄さんがイオン様を殺すわけが無いわ。 イオン様はこの世界に必要な方だもの!」
「・・・きっとそうだよね! ヴァン総長がイオン様をさらって行っちゃったんだ。も~、全部あのお坊ちゃんがが悪いんだ!」
「今そんな事を言っても仕方がありません。外殻大地へ戻る方法を探しましょう。ピオニー陛下にも報告しなければなりません。私はこれからテオドーロ殿にパッセージリングについて話を伺ってきます」
ジェイドの言葉に一同は肯いた。

一同の中に、自分にも責任があると思ったものはいなかった。己の罪悪感から目を逸らしたのだ。
いや、罪があると言う自覚さえ無かったのかも知れない。
皆、自分は正しい事をしていると心の底から思っているのだから。
確実な情報も無いまま、思い込みだけで死者(と思われた者)に責任を押し付けたにすぎないその行動が国の上層部にどう思われるかなどと、だれも考えもしなかった。

 


風を切る魔物の上で、イオンはがたがたと震えていた。背後には崩れゆく大地が轟音を立てている。
「・・・アニス・・・・・・皆さん・・・」
背後からイオンを支えるように魔物に同乗していたルークが、可笑しそうに囁いた。
「あいつらなら死んでないぜ。しぶといやつらだからな」
「ルーク・・・何故こんな事を」

しばらく黙っていたルークは、遠くを見るように呟いた。
「アクゼリュスの崩落は預言に詠まれてる。だから俺は死ぬために国に飼われてたのさ。・・・どっちにしろアクゼリュスは持たなかった。俺がやってもやらなくてもあそこは落ちるんだ。そしてあいつらは自分たちの行動を省みもせず全ての責任を俺に押し付け責め立てる。俺はもう、オリジナルどもに振り回されるのはうんざりなんだよ。・・・・・・イオン、一つ預言を詠んでやるよ。お前はいずれアニスに裏切られてモースに売られ、使い捨てにされて殺されるよ」
「アニスが、僕を・・・・・・」
「うん。そんで俺に一万人のレプリカを殺させて、俺も死ねって言われるのさ。オリジナルの世界の存続の為に」
「なんて・・・事を・・・」

振り返ってルークの眼を見たイオンは胸を突かれた。繰り返す絶望に染まったルークは透明な微笑みを浮かべていた。
「なぁ、イオン。なんで俺が幸せになっちゃいけないの? 俺はアッシュと一緒に居たいだけなんだよ。オリジナルがどうなったって構わないじゃないか。ヴァンが造ろうとしてるレプリカ世界ってやつを見てやろうぜ。あいつがしたいのは世界を壊すことだけど、俺達はそのあとのレプリカ世界に用があるのさ」
クスクスと無邪気に笑うルークを見てイオンは心を決めた。

(ルーク、貴方の絶望はこれほどまでに深かったのですね。・・・でも僕にはそれを否定する事が出来ない。何故なら僕の心も同じ絶望に彩られているから・・・・・・)

「そうですね。・・・ルーク、僕にも一緒にレプリカ世界を見せて下さい」
笑うルークに背を預けたイオンの身体は、もう震える事は無かった。

 


パッセージリングについてテオドーロに詳しく話を聞いたジェイドは、タルタロスを改造して打ち上げることを提案した。
他に良い策も無く、その案が実行される。
無事に外殻大地に戻ったタルタロスは、グランコクマを目指す為にローテルロー橋へと向かっていた。
有事の際グランコクマは要塞として閉鎖されてしまうため、直接向かう事が出来なかったのだ。
動力の壊れかけたタルタロスはゆっくりと進んでいた。


ローテルロー橋でタルタロスを乗り捨てテオルの森へと歩いていた一行は、大地が大きく揺れるのを感じた。
じっと何かを考えていたジェイドが皆を振り返る。
「・・・私はユリアシティでパッセージリングについて詳しく聞いてきました。あれは大地を支えている柱です。アクゼリュスのパッセージリングが消失したのなら、このあたりが崩落してもおかしくない。テオドーロ殿は予言に詠まれていないと言っていましたが、・・・どうやら一刻の猶予も無いようですね」
「なにっ! 早く知らせて住民を避難させる必要があるじゃないか」
ガイの言葉にジェイドは頷いた。
「ええ、急ぎましょう」


無事にテオルの森を抜け、グランコクマに到着した一行はすぐにピオニーとの謁見を許された。
「大変ですわ、セントビナーが崩落に巻き込まれるかもしれませんの!」
「陛下、すぐに救助隊を出す必要があります」
「んもぉ~あのお坊ちゃんのせいで大変なんですよぉ!」
ろくに礼も取らず話し出す一行にマルクトの重鎮たちは唖然とした。ジェイドは当然のように咎めもしない。
ピオニーが呆れたように話を遮った。
「まあ待て、まずは詳しく話を聞かせろ。ジェイド、いくら極秘任務だってお前も報告ぐらいしろよ」


このときピオニーには、ジェイドからなにも報告が行っていなかった。キムラスカから親善大使が出発したという知らせを受けて、すべてが順調に進んでいると思われていたのだ。それが突然アクゼリュスが崩落し、キムラスカは兵をルグニカ平野に集めている。
何が何だかさっぱり分らないというのが本音だった。
報告を受けたピオニーは難しい顔になった。パッセージリングの話を聞くとすぐにでも対処する必要がある。しかし大勢の兵を動かせばキムラスカを刺激して戦争が始まってしまう可能性がある。キムラスカにこの事を知らせる術も無い。
「お父様に話せばきっとわかって下さいますわ! だってアクゼリュスが落ちたのはルークのせいなのですもの! マルクトのせいではありませんわ」
王女はそう言うが、楽観視はできない。キムラスカは預言を重視しているのだ。


しばらく考えてピオニーは指示を出した。
「・・・ジェイド、セントビナーの住民の避難の指揮をお前がとれ。ルグニカ平野がきな臭い今、少人数で行くしかないからな。それとナタリア王女、あなたは護衛を連れてすぐにキムラスカにお帰り下さい」
「私もお手伝いしますわ!」
正義感から深く考えもせず発言する王女に溜息が漏れる。今の状況を分かっているのか。
「いえ、それには及びません。早くキムラスカに貴女が無事でいると知らせてください」

ピオニーはミスを犯した。
受けた報告が、思い込みと非常識な主観にまみれたものだと気付かなかったのだ。
そしてそれを正さなくてはいけないジェイドこそが、政治的な配慮にあまり関心を示さないという事を失念していた。
ジェイドはナタリアの性格も、出奔して来たと言う事実も、ティアがファブレ家を襲撃したという事さえどうでも良い事と捉えて報告していなかった。自分達の態度が普通なら死罪になるほどの不敬だなどとは思ったことすらなかった。

人の使い道を誤っていたのだ。・・・最初から。
この事はのちに取り返しのつかない事態を招く。

 


ちょうどその頃、アクゼリュスの崩落から間一髪で逃れることができた一人の護衛騎士が、怪我を負いながらも報告書を携えてバチカルにたどり着いていた。
轟音と地響きの中、彼のすぐ後ろで大地は崩れた。振り返った彼が見た物は、ルークを飲み込んで崩落してゆくアクゼリュスだったのだ。
ルークのおかげで命を救われた騎士は、涙ながらに道中の事柄を話した。
報告書を読んだキムラスカの重鎮たちは自国の王位継承者へのあまりの不敬に怒り狂い、わずかに残っていた開戦を押し止める声は聞かれなくなった。
もうすでに、戦争は避けられない所まで来ていた。

 


セントビナーに向かおうとしていたジェイドにティア達が声をかけた。
「私たちも手伝うわ」
「そうですわ! こんな時に敵も味方もありません。これはルークが招いた事なのですもの、私もお手伝いしますわ。キムラスカの兵に遭っても私がいれば大丈夫ですわ!」
「そうだぜ旦那、俺たちも協力させてくれよ」
「イオン様がいるかもしれないからぁ、アニスちゃんも手伝ってあげるv」
口々に言うティア達に少し考えたジェイドは頷いた。
「それならお願いします。貴方達なら戦力的には十分ですからね。少人数で向かうには丁度良いでしょう」

ジェイドはピオニーに事後承諾で事を進めることに慣れすぎていた。そしてピオニーもまたそれを許してきた。
確かに戦力的には十分だろう。キムラスカ兵が万が一侵攻してきたときの牽制と言う打算もあった。
しかしジェイドは、ピオニーがナタリアに帰れといった意味を考えるべきであったのだ。
『向こうが自主的に言い出しました』では済ませられない事柄もあるのだとジェイドは最後まで気付く事は無かった。

 


ダアトの上空に魔物の羽ばたきが聞こえる。
アッシュは愛しい半身の気配に目を細め、庭に出て行った。
「アッシュー!」
待ちきれない朱がアッシュの腕めがけて飛び込んでくる。ルークをしっかりと受け止めたアッシュはその身体を強く抱きしめた。
「無事か、怪我は無いか? ご苦労だったな」
「これが終わったらアッシュとずっと居られるんだと思って、すっげー頑張った! あいつらの罵倒に耐えた俺を褒めてくれよ!」
ゴロゴロと猫が懐くように顔を摺り寄せてくるルークの頤を捕らえ、口付ける。
「良くやった、ルーク。・・・俺のレプリカ」
口付けを深くすると、ルークの眼が潤み身体から力が抜けた。髪を梳き、耳を弄ると熱の籠った吐息が溢れた。


「ちょっと燃え滓! 此処がどこだか解ってんの? そう言う事は部屋に入ってからやってよね!」
シンクの怒鳴り声に振り返ると、イオンが目を丸くして見ている。ヴァンは硬直したように唖然としていた。
「お・・・お前たち、面識があるのか?」
ヴァンのしどろもどろの問いかけにアッシュは鼻を鳴らして嗤った。
「フン、当り前だろう? 俺達は完全同位体だぜ。・・・俺達に何かやらせたかったらやってやるから、邪魔するんじゃねぇよ、髭」
「俺たちを放って置いてくれるんなら、あんたの計画に協力してやるよ。ねぇ、ヴァン師匠」
腕を絡め、笑いながら二つの焔は室内に消えていった。これから楽しい時間が始まるのだ。
呆れて肩を竦めたシンクは、赤毛達を眼で追っていたイオンを見ると仕方なさそうに声を掛けた。
「何やってんの。さっさと行くよ」
「・・・・・・はい」
今まで見たこともないルークの心からの笑顔に嬉しくなる。イオンは微笑みながらシンクの後を付いて行った。

 


ジェイド達がセントビナーに着く頃には、地震が頻発するようになっていた。
ジェイドはセントビナーに常駐している十数名の兵士に住人を守らせエンゲーブまでの移動を指示した。
次々と民衆が町を出ていく。その時ひときわ大きな地震とともに大地が裂け始めた。
老マクガヴァンを始めとする数十名が崩落する大地に取り残される。

「このままではみんな・・・!」
「いえ、大地の下にはディバイングラインと言うものがあります。おそらくすぐに大地が崩壊する事は無いでしょう」
ジェイドの言葉に、何か考えていたガイが言い出した。
「なあ、シェリダンに空を飛ぶ音機関があると聞いたことがある。それを使ったらどうかな」
「いい考えですわ! シェリダンなら王女の私が居るのですもの、きっと貸してくれますわ! 無辜の民を助ける為に使う事に反対されるはずがありませんもの」
自信満々に手を打ち合わせるナタリアにティアが同意を示した。
「そうね、いい考えだわ。急ぎましょう、大佐」
「・・・分りました。お願いしましょう」


ジェイドは十数名の兵士が付いていれば避難した住民をエンゲーブに誘導することができると考えていた。そのため住民の護衛を兵士に一任し、自らはシェリダンへと向かったのである。
しかし、アクゼリュスの崩落を察知したデオ峠の魔物が大挙してセントビナー周辺に流れ込んでいるとは誰も知らなかった。
過密になり周辺の獲物を食いつくして飢えた魔物にとって、武器も持たず疲弊した人々は格好の獲物だった。
大きな群れで一斉に襲ってくる魔物に、少数の兵士は次々と倒されていった。
守りも無く命からがらエンゲーブにたどり着いた住民は、わずか全人口の一割にも満たなかった。

 


シェリダンではキムラスカ軍が配備され、戦争に備えていた。いつ開戦するかわからない厳戒態勢である。
そんな中にマルクト軍の制服を着たものが乗り込んでくればどうなるかなど、子供でも分かる。
ジェイド達はキムラスカ軍に取り囲まれた。

「お待ちなさい! 私はキムラスカの王女、ナタリアです! セントビナーの民を救うために空を飛ぶ音機関が必要なのです」
ナタリアの言葉に唖然とした兵士が叫んだ。
「何を言っているのです。セントビナーは敵国じゃありませんか! 開戦も間近なこんな時に、敵国に国家機密を差し出そうと言うのですか!」
「命に敵も味方もありませんわ!」
「アルビオールが奪われて戦争に使われたら、数千人のキムラスカ兵が死ぬのですよ!」
言葉に詰まるナタリアにジェイドが囁いた。
「いったん引きましょう。これ以上ここで押し問答しても無駄です」
「でもジェイド!」


不用意にナタリアが発した一言に、キムラスカ兵が殺気立った。
「譜眼、ジェイド・・・こいつ、ネクロマンサーだぞ! 捕えろ、逃がすな!」
舌打ちしたジェイドが譜術の詠唱を始めた。それを遮るように剣戟が浴びせられる。ジェイドに向かうキムラスカ兵を迎撃するようにガイやアニスが戦闘態勢をとった。
・・・キムラスカに敵対すると言う事を、はっきりと態度で示してしまった。

「止めなさい! 王女である私の命令です!」
「王女なら利敵行為などするはずがない!」
兵士の叫びにジェイドの譜術が被さった。地に叩きつけられたキムラスカの兵士が血を吐き、動かなくなるのをナタリアは呆然と見ていた。
『こんなはずではなかったのに・・・ なぜ皆私の命令を聞いてくれないの』 ナタリアの頭にはそれだけしかなかった。


ティアやガイ、アニスが捕らえられ、最後まで抵抗していたジェイドはTP切れをおこした所を剣で貫かれた。
膝をついたジェイドに一斉に兵士の剣が突き刺さる。
いくつもの部隊を壊滅させたネクロマンサーへの憎しみは、ナタリアが思うより遙かに大きかった。 
数十名の死傷者を出した今では尚更に。
ボロクズの様に串刺しになったジェイドが動かなくなったとき、ナタリアはやっとそれを思い知った。

 


キムラスカはマルクトへ宣戦布告した。
開戦理由は王位継承者であるルークのアクゼリュスでの死亡。そしてマルクトの名代であったジェイドのルークへの度重なる不敬とシェリダンへの襲撃である。
宣戦布告の文書を読んだピオニーは、震える手で顔を覆った。そこにはジェイドが行った事の一部始終が記されていた。
ルークの死亡が無くとも十分に開戦理由になるほどの行いだった。たとえジェイドが殺されてもその罪は消えはしない。
おまけにガルディオスの遺児がファブレ家に入り込んでいたらしい。マルクトの差し金で無いなどとは今さら到底信じて貰えない。


「ジェイド・・・あの馬鹿。・・・・・・これではどちらかが滅ぶまで、戦争は止まらん」


美しい水壁に守られた王座の間に、苦渋の呟きが落ちた。

 

 

 

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作品は全部書き上げてからUPするので、連載が終わると次の更新まで間が空きます。

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