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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.12,Fri

 

 
アッシュとルーク、シリウスはベルケンドに来ていた。
コンタミネーションを起こしたかもしれないルークの検査をしに来たのだ。
ついでに3人とも健康診断をして貰う。

「ルーク様は確かに、膨大な量の第七音素が身体に内包していますね。シリウス殿は心配された瘴気も、ほとんど体から排出されています。アッシュ殿は、・・・僅かですが前のときより音素が乱れているようです。原因は分かりませんが、体力が無くなったと言う様な症状はありませんか?」
「いや、特には・・・少し疲れやすくなったか?」

心配そうに擦り寄ってきたルークの頭を一つ叩く。
「てめぇは、人の心配してる暇があんなら、さっさと『それ』を身体から出せるようにしやがれ! 大方てめぇに引きずられたかなんかだろう。・・・心配いらねぇよ」
 

バチカルに戻ったルークは、シリウスにつききりでフォニムのコントロールを教えられた。(もちろん他の勉強も続けている)2週間をかけ、ついに宝珠が姿を現した。
「やっ・・・たぁ~!! ついに出来たぁ! あ、アッシュ、見てくれよ。こんなの出てきたぜ!」
宝珠を振り回しながら通りがかったアッシュに飛びついていく。
「あぶねえ、離れろ! ・・・多分それがローレライの宝珠だ。俺の方に来た剣とくっつけるとローレライの鍵になるらしい」

アッシュはこの2週間、ダアトやマルクトに連絡を取って、ローレライの鍵のことや世界に異常が起きていないかなどを調べていた。
その中には、アブソーブゲートに残されていたヴァンの剣が無くなっていると言う気になる情報もあった。残りの六神将の消息も不明だ。
 
・・・何かが起こりそうな嫌な予感がしていた。
 

 
ダアトで、数名の信者失踪事件が立て続けに起こり、警戒を強めていた矢先の事だった。
朝食を揃って取っていたファブレ邸の食堂に、一人の白光騎士が駆け込んできた。
「報告します! ダアトにて預言保守派のモースが、賛同する者と新生ローレライ教団を立ち上げ、導師イオンを拉致したもようです。その中に、元六神将のラルゴ、リグレットの姿を見た者もいます」
「なんだと!」
「父上、母上、すぐに行ってまいります」
「気をつけてね、アッシュ、ルゥ」

食堂を飛び出した二人は、シリウスとシンク、アリエッタを連れてダアトに急行した。
アルビオールはキムラスカが和平のしるしにマルクトに貸し出していたので、各首都に一台づつ常在していたのだ。
マルクトからは、アスランとジェイドがきていた。
ダアトは混乱に包まれていた。モースは教団の奥に立てこもり、周りをヴァンに付いて行った兵が固めている。その中に、うつろな表情で歩き回る者達がいた。数名はここ数日の間に急死した人物と同じ顔をしていた。
 

「モースはヴァンの一味と組んで、レプリカを作っているのか? 何故そんな事を」
トリトハイムが来て、説明を始めた。
「預言が無くなる事に不安を抱いたものが、モース達に協力したのです。モースは新生ローレライ教団を名乗り、ダアトの奥にイオン様を監禁しています。 ・・・ザレッホ火山の奥には、第七譜石があるのです。惑星預言など詠んだら、イオン様の御身体は・・・!」

ふらつくトリトハイムの身体を支えながら、ルークが叫んだ。
「火口の上から入れないか、やってみよう! アリエッタ、お友達借りていいかな」
「良い考えだ。シンク、アリエッタ、シリウス、行くぞ。アスランは混乱を収めてくれ」
5人はグリフォンに乗り、火口から第七譜石を目指した。

 
 
どこまでも灼熱地獄が続いている。
景色が揺らめくほどの高温に曝されながら、こんな所で僕の兄弟達は殺されたのか、とイオンは妙な感慨に耽っていた。

ふらつくイオンの手を取り、前へ進む者がいる。アニスだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、イオン様。こうしないとパパやママが!」
涙ながらに話す声は、もうほとんど意味を成さない。
ただ静かな諦観の中にイオンは居た。

「知っていました、アニス。もういいんです。ここで僕の兄弟は火口に落とされました。兄弟達の所にいけるなら、いいんです」
小声で呟いた言葉を聞き取ったアニスが立ち竦む。
舌打ちしたモースがアニスの手からイオンをもぎ放し、第七譜石の前に連れて行った。
「さあ! 預言を詠むのだ。お前はそのために作ったのだからな!」
 

イオンが譜石に手を向けたその時、上空から何かが降ってきた。
モースを蹴り飛ばし、イオンを支える。
「なに大人しく言いなりになってんのさ! 楽しい事をいっしょに探すっていったのは誰だよ!」
「イオンさま!」
「あ・・・シンク、アリエッタ。 ・・・・・・ごめんなさい、僕は、人形のまま死のうとした・・・!」
目に映る二人の顔に、イオンは涙がこぼれた。
「モース、許しません!」
アリエッタがオーバーリミッツで向かっていく。
シンクからイオンを受け取ったシリウスが、回復をかけながらいい笑顔でGOサインを出すと、指を鳴らしながらシンクは駆け出していった。
 

「うわっ、何こいつ。化けやがった!」
2、3発殴ったとき、急にモースの身体がボコボコと膨らみ始め、瞬く間に化け物のような姿になってしまったのだ。

「ふーん・・・じゃぁ、遠慮はいらないね!」
「叩きのめす、です」
より闘志をかきたてられた二人が、タコ殴りにすべく向って行った。
「なんか・・・手助けいらない感じ?」
「邪魔すんなってか? 俺もあいつにゃ恨みがあんだよ。オイ、参加させろ!」
アッシュが嬉々として飛び込んでいった。

唖然とするルークに声がかかる。回復したイオンを渡しながら、シリウスは言った。
「俺もあの糸目狸野郎に一発食らわせたいんだけど、いいかな?」
「・・・・・・がんばってね」
アカシック・トーメント、ビッグバン、絞牙鳴衝斬、イノセントシャイン!
秘奥義を叫ぶ声がこだまする。
モースの成れの果てがどんな目に遭ったのかは、ちょっと言いたくない。
 

「イオン、大丈夫か?」
「ルゥ・・・ありがとうございます」
辺りが静かになると、いい笑顔の四人が戻ってきた。ハイタッチをかましている。
「さあ、帰ろうよイオン。こんなとこにいつまでも居ないでさ」
「はい!」
グリフォンに乗り込んだ六人に、声がかかった。

「あ・・・あたし・・・イオン様・・・パパとママが・・・」
真っ青で震えていたアニスが、ふらふらと近づいてくる。
「モースのスパイが今さら何の用? 裏切り者」
イオンと相乗りしたシンクが威嚇する。イオンが悲しそうに目を逸らした。
「さっさと戻れば? 終点には兵がいるだろうけど。あ、今の時間は溶岩で通れないかもね」
「い・・・嫌ぁ、置いていかないで!」
恐怖に駆られたアニスが叫び、飛び立とうとする一行に縋り付いて来る。
アリエッタのグリフォンがアニスの手を掴み、吊り上げた。悲鳴が上がる。

「動くと落ちる、です」
蒼白なアニスにグリフォンを寄せると、シリウスは囁いた。
「守るべき主より大切なもののある奴が、守護役なんて名乗るな」
アニスは深く後悔し、自分の行いに絶望した。
 
 

教会前にトリトハイムが待っていた。イオンを見て、安堵に胸を撫で下ろす。
「モースは・・・預言は詠まれたのですか?」
「いえ、すんでのところを助けられました。モースは化け物のような姿に変わり、彼らに倒されました」
その言葉に、見守っていた信者達がざわめく。
奥に立てこもっていた兵士達も、モースが導師を殺そうと謀り、化け物になって倒されたと聞くと、戸惑いながら出てきた。

イオンは兵士達に問いかける。
「預言は絶対な物ではない。強い意志があれば変えられるのです。もう預言は外れてしまったのですよ。これからどんどん預言の未来とは離れていくのにいつまで預言にしがみ付いているのです」
それを聞き顔を見合わせた兵士達は、俯きながら武装解除を始めた。

「トリトハイム師、導師が落ち着くまでは当家でお預かり致しましょうか。良い医師もいます」
しばらく躊躇ったトリトハイムは、やがてアッシュの言葉に頷いた。
「宜しくお願いいたします。指示を仰ぎたいときは伝令を飛ばします」
「アリエッタのお友達通信をおいておくよ」

アニスをトリトハイムに引き渡すと、一行はバチカルに戻っていった。
スパイ活動と導師誘拐の罪で、両親共々教団を追放になったアニスは服役する事になった。
 
 
 
 
ふと気付けば、ファブレ邸はすごい事になっていた。
歳若い同居人が増えて、かつて無いほど活気に溢れている。
シュザンヌは嬉しそうで、以前より元気になってきたし、息子馬鹿(最近囁かれている)のクリムゾンは口喧嘩しながらも楽しそうな息子達にご満悦だ。
中庭でお茶をする面子に(ファブレ邸だけで世界が牛耳れそうだ)と思った事は警備の白光騎士の秘密だ。
 
 
体力の回復してきたイオンを交えてお茶をしていた一同は、シリウスの言葉に耳を疑った。
「ローレライの宝珠で、ユリアの最後の預言読めないかな?」
「んなこと出来んのかよ?」
「いや、これも譜石みたいなもんだろうしさ」

驚くルークに宝珠を出してもらうと(コンタミネーションで保管していた)じっと見詰め、額に押し当てる。
「ん~ ・・・この間触った時、なんか伝わってくる気がしてたんだ」
「僕に持たせてください」
「イオン様、危ない、です」
手を出すイオンをアリエッタが止める。
「大丈夫です。危険なようならすぐ止めますから」

宝珠に触れると、イオンは瞠目した。ユリアの声が、クリアに伝わってきたからだ。
差し出していたシリウスにも流れているようで、驚愕している顔が見える。
現象に対しての驚きが一段落すると、今度は内容に驚愕する。

「なっ・・・これは!」
「イオン様、どうしたですか」
イオンはシリウスと目を見交わし、今視た内容を話しだした。

 
「・・・・・これが、オールドラントの最後である・・・」
 

「消滅預言・・・?」
静まり返った中で誰かが呟いた。
このことは、各国のトップにのみ、内々に伝えられる事になった。
 
 
 
 

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