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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.16,Tue

 
 

そろそろか、とシリウスは思った。
『以前』と比べると、屋敷内の雰囲気が明るい。そして時折クリムゾンが酷く辛そうにルークを見ている。

シリウスはクリムゾンに面会を求めると、人払いをお願いした。そして話し始める。
「以前私は、ユリアの子孫だと言いました。そのことでお話があるのです。・・・預言は絶対であると、信じていらっしゃいますか?」
「・・・・・・うむ」
「ユリアが、預言が覆る事を望んだとしても?」
 

シリウスは手の中に、宝珠を出現させた。
「これは、ローレライの宝珠。ここに、世界の運命が記されています。・・・そしてユリアの願いも。ご覧になる勇気はありますか」
瞠目したクリムゾンは、恐る恐る手を伸ばした。そして、愕然とする。
キムラスカの繁栄のために生贄に息子を捧げても、待っているのは世界の滅亡とは! こんな事の為に息子は死ななければならないのか!
 

ガクリと座り込み頭を抱えるクリムゾンに、シリウスは言葉を重ねた。
「クリムゾン様、ユリアは世界の滅亡を望んでいません。覆してくれと預言を詠んだのです。どうか、預言を覆し世界を救う事に、お力を貸していただけませんか」
シリウスにとっても、これは賭けだった。もしクリムゾンが預言を絶対視していたら、ここで処分されるのはシリウスだからだ。祈るような気持ちで、返答を待つ。

 
やがてのろのろとクリムゾンが顔を上げた。その目には、強い光が宿っている。
「・・・民を救う為に協力する事に否も無い。・・・私は、息子を捧げなくても良いのか。ルークは、生きる事が出来るのだな! シリウス、感謝する」

今まで見たことも無いほど破顔したクリムゾンは、ぐっとシリウスを引っ張ると、強く抱きしめた。
「預言を覆す為なら、何でもしてやろう」
「ありがとうございます。クリムゾン様・・・」
シリウスは、安堵して体の力を抜いた。
ルークが目覚めて、一年後の事だった。
 
 
 
 
「そろそろ剣の授業を始めたいんだけど、問題があるんだ」
「何? シリーが教えてくれたら良いじゃん」
「俺はアルバート流は使えないんだよ。ルゥがアルバート流を使ってたら、変だ」
「あ、そっか。・・・また師匠に頼むのかなぁ」
「あ~ ・・・それしかないと思うんだけど、ちょっと俺、顔合わせたくないんだよね」
「師匠、知ってんの? あ、アッシュがなんか言ってたっけ?」
「あはは・・・いや~、俺は、隠れてることにするわ」
 
 
 
見付かりたくない時には見付かってしまうもので。

ヴァンがファブレ家に出入りするようになって暫らくした頃、シリウスはたまの休日に私物を買いに町に出ていた。店を物色していたところを、いきなり肩をがしっと掴まれた。
ぎくっとして振り向こうとするが、両肩を掴まれている為動けない。
気配が無かった。こんな事が出来るのは・・・
 
「久しぶりだな、シリー。何でこんな所にいるのだ」

耳元で低音が響く。
しまった、ガイを放置していた。奴に聞いたに違いない。
「あ、あはは、久しぶりだね、ヴァン。放してくれるかな?」
冷や汗をかいたシリウスが引きつった笑い声を上げる。
「逃がさん。付き合ってもらおうか」
逃さないよう腰に手を回し、宿に向かって歩き出すヴァンに、シリウスはそっと諦めの吐息をついた。
 


 
閑話  ※R15  SMプレイ?  ヴァン×シリウス  

※     飛ばしてもらっても、これっっぽっちも差し支えありません(笑)
ヴァンシリの爛れた性生活に興味のある方のみお読み下さい。義務教育中の方は回避!
 

 

 
「・・・・・・バチカルで、SMプレイをするとは思わなかった」
「・・・すまん。調子に乗りすぎた」
「どーすんだよ、これ」

手首の擦過傷とドロドロのシャツを示す。キスマーク(というか噛み痕)も満載だ。
「クリムゾン様に、ヴァンにレイプされましたって言っちゃおうかな~ ・・・怒るだろうな~
きっと出入り禁止だよね」
「お前だって、楽しんでいたではないか!」
「あーやだ。強姦魔の言い草だよね、それ。 ・・・とりあえず、後でシャツ買ってきて。これじゃ帰れない。長袖で、立ち襟の奴ね」
「・・・わかった」
 

シリウスは風呂場でヴァンに洗われている時に気を取り戻し、抱き上げられてベッドに連れてこられた所だ。(もちろん使ってないほうのベッドだ)
「昼間っから、動けなくなるほどやるなよ」
「失神するほど楽しんでもらうとは、光栄な事だな」
色っぽいんだか殺伐としてるんだか、良く判らないピロートークである。
 
 
「んでさぁ、答えは出たかい?」

あ~あ、ダアトの聖堂かどっかで、かっこよく訊こうと思ったのにーと、不貞腐れながらシリウスが訊いた。ちなみにここはベッドの上で、ふたりとも裸だ。
「私は、預言を覆す」
真顔になったヴァンの額に、シリウスのチョップが食らわされた。
 
「そんなもう分かり切った事は訊いてないよ! 俺は、あんたが、この世界で、末永く、幸せに暮らしたいかどうか、訊いてんの! 未練は無いの?!」

額を押さえてヴァンは呻いた。
「未練は、ちょっと有るかもしれん」
「んじゃなんで、ずっと楽しく暮らそうとか思わないわけ? 預言なんてとっとと覆しちゃえばいいだろ。別にいいじゃんか、ムカつく奴らなんて放っとけば」
「それはそうだが」
「焦れってぇな、この陰毛髭!ファブレ家出入り禁止にするぞゴルァ!俺はね!あんたに、生きてて欲しいんだよ! 分かれよ馬鹿!」
 

脅迫なんだか告白なんだか良く判らなくなったヴァンは、物凄い微妙な表情で(にやけ5苦悩3困惑2くらい)、とりあえずシリウスのシャツを買いに行った。店員にドン引きされた。

もちろんサイズはぴったりだった。
 
 
 


 
閑話

 
「おいルゥ、シリーいるか? いるんなら変わってくれないか」
「アッシュ! いるよ、どうしたの? ここですりゃいいじゃん」
「いや、訊きたい事があるんだ。ちっと下世話な話なんで、変わってくれ」
「ぶー・・・いいよ、変わってやるよ。後でちゃんと俺の相手してくんなきゃ、ダメだかんな!」
 
「どうしたのアッシュ?」
「いや、こないだヴァンがすげえ変な顔してそっちから戻って来たから、何か有ったのかと思ってよ」
「いや~、目ざといね、アッシュ。ここに居るのばれたんだよ。町で捕まって、宿にお持ち帰りされた」
「大丈夫だったのかよ」
「例によってあまり大丈夫じゃなかったけどさ、なんか生きる事にちょっと未練があるって言ってたよ」
「何だよ未練って。お前の身体か? 親子丼か?」
「さあね」
 
 
 
 
 
なんとなくヴァンは引き込めそうな気がしてきたこの頃。
ダアトで動きがあった。
イオンレプリカが作られたのだ。
 
 
 

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