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同人二次創作サイト(文章メイン) サイト主 tafuto
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by tafuto - 2007.10.16,Tue

 

 
ダアトサイド
 
 

アッシュがダアトで4年目を過ごしている頃、イオンのレプリカが作られた。

イオンは死期を詠まれた前でもけっこう元気だったが、具合が悪そうに見せかけていた。
そんな中、モースが独断でレプリカを作ってしまったのだ。
ヴァンは迷っていたが、もともとの計画にイオンレプリカの作成が有ったので、ディストはモースに言われた事を疑問に思わず作成してしまった。
ディストに聞いたアッシュとアリエッタは4体作られたレプリカを助けに行ったが、シンクを除いた2名は数日後に乖離してしまった。あと一体はモースの手の内にある。『イオン』だ。
 
こうなると死を詠まれたイオンは殺される危険が高い為、死んだ振りをして逃げ延びる事にした。
青白く化粧をして横たわるイオンは本当に死んでいるように見えた。
後にイオンは語る。

「いや~息止めるのが苦しかったぁ~! 死ぬかと思ったよ」

空の棺が秘密裏に埋葬される中、ほとぼりが冷めるまで、本物はシリウスの家だった所にこっそり隠れていた。シンクも体調が戻るまでイオンと過ごしていた。(火口に落とされてはいないので、消耗しているだけだった)
鍵の隠してある場所はアッシュとアリエッタが聞いており、時々駄弁りに使っていたのだ。
こっそり漆黒の翼と繋ぎをつけていたアッシュは、ダアトに来たノアールにイオンを託してナム孤島に匿って貰った。あそこなら普通の人は入れないし、ダアトからも近いのでアリエッタがお友達を使えばすぐだったからだ。
シンクは顔を隠しオラクルに入団する事になった。
シリウスたちはイオンの生存に喜んだ。同時に預言は覆せるものだと改めて感じたのだった。
 
 

 
イオンがナム孤島に行ってひと月。突然シリウスがダアトに来た。
 
ヴァンが昼食に食堂に向うとなにやら騒がしい。
気にせず席に着いて配膳を待っていると、突然目の前に親子丼が置かれた。
固まって凝視する中、蒸らし時間は終了し、蓋がとられた。
「どうぞ、召し上がれ。ヴァン総長殿」
無意識のまま箸を取り、口に運ぶ。・・・美味い、完璧だ!
 

感激して食べている間も、視線ははずさなかった。シリウスは厨房にレシピを渡して感涙されたり、兵士達に話しかけられたりして談笑している。なんとなく面白くない。
百面相しているヴァンは、周囲の者達に生暖かい目で見られていることに気付いていなかった。

食事が終わる頃を見計らってシリウスが戻ってきた。
「さあヴァン総長、デートしようか。返事を聞きに来たよ」
周りからむせる音やおおっ、とかひゅーとか聞こえるなか、シリウスはヴァンを引っ張っていった。
 


食堂の裏手からシリウスの家に向かう。ドアを開けて中に入る。
ヴァンを座らせると、シリウスは話し始めた。

「あんたがいつまでも答えてくれないから、俺は行動を開始する事にした。今日が最終勧告だ。
俺はローレライを解放して預言を覆すつもりだ。瘴気を中和し、外殻大地を降下させてパッセージリングの2000年問題を片付ける。マルクトとキムラスカにも預言をぶっちゃけて、戦争なんて起こさせない。マルクトは滅びず、疫病も発生しない。みんな幸せに末永く暮らせる。
・・・さあ、この計画に参加する? しない?」
 
「・・・・・・・」

絶句するヴァンに、イラついたようにシリウスが詰め寄る。
「この計画にあんた的になんか問題あるわけ? 何が不満なのさ」
虚をつかれたように考え込んだヴァンが、やがて笑いながら答えた。

「・・・無いな、問題ない。有るとすれば、私のプライドの問題だけだ」
「そんなモン。俺の親子丼とどっちが重要だよ」
「親子丼だな。・・・・・・参加する」
 

 
テーブル越しに触れるだけの口付けを交わすと、さて、とシリウスは立ち上がった。
「んじゃ、帰るわ」
「ま、まあ待て、せっかくここまで来たのだ、ゆっくりして行け」
慌ててヴァンが引き止める。
「俺、忙しいんだけど」
「久しぶりだろう? ちょうどここにベッドもあるし! こんな良い雰囲気なぞ滅多に無かったのに」
「ここはアッシュたちが来るだろう。ヤッてるところに入ってこられるのは流石に嫌だ」
「じゃあ、私の部屋で」
 

まあ、良いか。久しぶりだし。
とか思いながらヴァンの部屋に向う途中で、シリウスはどうしても聞いて見たくなった。

「なあ、ヴァン。一生俺の親子丼が食べられないのと、一生俺を抱けないのどっちか選べって言われたら、どっちを選ぶ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 
汗をだらだら流して考えるヴァンの顔はとても見もので、うっかり通りかかって話を聞いてしまったアッシュは、また部屋に篭って爆笑する羽目になった。
 
 
 

 

 
夕食はシリウスの家にみんなが集まった。アッシュ、ヴァン、リグレット、ラルゴ、アリエッタ、
そしてシンク。(ディストはモースにばらされそうなので誘ってない。ごめん)
ご馳走が並べられたテーブルに皆がついたことを見計らって、シリウスが始めた。
 

「はーいちゅうもくー! 俺たちはこれから預言を覆そうと思いまーす。預言が覆る証拠をお見せします。 
どーぞー!」
「こんばんはー。死の預言を覆したオリジナルイオンで~す」

イオンがノリ良く入ってきた。髪を切って、健康そうに日焼けしている。
ヴァン、リグレット、ラルゴはあんぐりと口を開けている。
「紛らわしいから、オリオンって改名しました。リオって呼んでね」
てへっ、と可愛く首を傾げる。
「そこ! 名前が安直とか言わないように!」
随分こなれた性格になったもんだ。
 

「な・・・何故・・・!」
「いや、モースに毒を盛られてたから、全力で助けてみた」
シリウスの言葉にアリエッタがうんうんと頷いている。
「まあ、冷めない内にご飯にしようよ」

唖然としてた者たちも、食事を始めると落ち着いてきた。アリエッタとリオとシンクは仲がいい。
(おお、あんまり擦れてないシンクだ!)
シリウスはシンクに話しかけた。
「始めまして、シンク。俺はシリウス・ブレイズ。シリーって呼んでくれ。ねえ、君は生まれたことをどう思っているの?」

直球で訊かれた事に、シンクはしばらく戸惑った後答えた。
「わかんないよ、そんなの。勝手に生み出されちゃったんだから」
「・・・それで良いんだよ。人間、生まれた者勝ちだ。生きようとした者が生き、楽しもうとした者が楽しむ。やりたい事なんて、今から探せばいいんだよ」
「そんなモンなの?」
へらっと笑ったシリウスに、シンクは苦笑した。
 


「それで皆さん。俺は楽しく生きるために、ほっとくと滅亡すると詠まれた預言を覆そうと思います。まず、これを見てください」
手にローレライの宝珠を出現させる。
「触ってみて・・・・・・ユリアは預言を、覆す為に詠んだんだ。正義は我にあり、ってことで、協力してくださーい」
 
なんだか軽いノリで、世界の存亡をかけた計画が進んでいった。
「あ、ローレライに訊きたい事があったら呼び出せまーす」

アッシュはそっと溜息をついた。
(能天気だと思っていたが、此処まではっちゃけるとは思ってなかったぜ・・・まあ、良いか)
 

 
アッシュは自分も結構はっちゃけている事に気付いていなかった。
 
 
 

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