いよいよ大地降下の日を迎える事になった。
ラジエイトゲートはルゥとアスラン、ジョゼット、シンク。あと白光騎士が数名と治療師。
アブソーブゲートは、アッシュ、シリウス、ヴァン、リグレット、ラルゴ、アリエッタとお友達。
ルゥたちは、ラジエイトゲートの魔物を殲滅してパッセージリングの書き換えを済ませると、アッシュからの連絡を待った。
しばらく待った後、アッシュからの連絡が入った。いよいよ降下だ。
この為に、人民は安全な所に集められている。皆、固唾を呑んで祈っているはずだ。
通信を入れっぱなしにして、アッシュとルゥは声を掛け合いながら超振動を使い始める。
軽い振動の中、大地はゆっくりと降下して行った。・・・振動が止まる。
降下が終了した合図だった。
ルゥはジョゼットとアスランに抱き留められながら、アッシュ、やったアッシュ!と泣き笑いしていた。シリウスは座り込んだアッシュの肩を抱き、アッシュごとヴァンに抱きしめられていた。
皆、笑顔が零れていた。
家の中でじっと息を潜め、祈りを捧げていた人々は、振動がやむと次々に外に飛び出した。
人々は喝采を叫んだ。これで人類は消滅を免れたのだ!預言は、覆されたのだ。
歓声を上げ、だれかれ構わず抱き合いながら喜びと感謝を捧げる。
世界は救われたのだ!
それぞれの国に戻ると(アッシュはファブレ家に帰っていった)功績のあった者は英雄と称えられた。
アッシュは『アッシュ・フォン・ファブレ』として、ファブレ家の長男と認められ王位継承権を与えられた。
ルゥには『ルーシェル・フォン・ファブレ』としてファブレ家次男と正式に認められようとしたが、それに本人が待ったを掛けた。
「あのね、俺、ずっとアッシュと一緒に居たい。兄弟だと、いつか結婚して離れ離れになっちゃうだろ? だからね、アッシュと話し合ったんだけど・・・・・・ ローレライに女にしてもらってアッシュのお嫁さんになりたい!」
クリムゾンとシュザンヌはぽかんと口を開いて固まった。
「父上、母上。ルゥが成長して俺との身体の差が少なくなると、大爆発の起きる危険があると、ローレライに言われているのです。それを防ぐには、また何年かルゥを眠らせるか、ルゥの性別を変えるしかありません。俺はもうルゥを何年も寝かせたくはない。自分の半身とはもう離れたくないのです。お願いします」
頭を下げるアッシュに、シュザンヌは微笑んだ。
「いいんじゃないかしら・・・ねぇ、あなた。この子達のいちゃつき(コホン)・・・仲の良さはもうわかり切っていますもの。わたくしも今さら何年もルゥと会えなくなるのは、いやですわ」
「そ・・・そうだな。二人はお互いの半身。引き離すことは出来まい。認めよう」
こうしてルゥは『ルーシェル・フォン・ファブレ』というアッシュの伴侶として正式に認められ、王位継承権も与えられる事となった。
まだ若いので、結婚は数年先だが。
ルゥはみんなとタタル渓谷に行って、ローレライに女性に変えてもらった。
初々しく可憐な少女のルゥにアッシュはべろんべろんに惚れ直し、(一から仕込んで、いや色々教えてやろう!と心に誓った)シュザンヌは娘も欲しかったの!と喜んだ。そして何年後かには孫の顔も見られるかしら!と期待を込めている。
クリムゾンの戸惑いは、ルゥに「父上v」とにっこり笑って呼ばれたとたんに吹き飛んだ。
見事な親馬鹿の誕生だ。
インゴベルトは、ナタリアと『ルーク』の婚約が解消されてしまったのでちょっと残念そうだったが、アッシュとルゥの仲の良さは知っていたので諦めた。数年後には二人に王と王妃になってもらおうと画策している。(ちなみにナタリアは王女として、その後ピオニーに嫁いだ)
シリウスはアッシュとルゥに仕えながら、時々ダアトからやってくるヴァンと相変わらず痴話喧嘩している。
ヴァンがオラクルを辞めてバチカルに越してくるのも時間の問題かな、と生暖かい目で見られているのにヴァンは気が付いていないようだ。
ダアトはしたたかなリオと悪女に目覚めたリグレットに任せておけば問題無いし。
ダアトの大聖堂には、ローレライの宝珠が納められ、囲いの隙間から誰でも触れる事が出来た。
消滅預言とユリアの願いを知った人々は、二度と戦争などの為に大地を瘴気で汚染させまいと誓い合った。
戦争を起こそうと考える者はいなくなった。
宝珠の台座にはこう彫られている。
『ユリアの願いは勇気ある者達によって叶えられた』
こうして、預言は覆された。
・・・皆、幸せに笑って暮らし続けている。
THE END
閑話 その後のファブレ家 ※R18 アスにょルク
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